ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)

乾燥

乾性角結膜炎や涙液減少症というのも同じことですが、ドライアイという用語は、非常に軽度の場合や涙の質的異常の場合も含めて広く使用されています。

たとえば、傷がなくても眼が乾くという症状があればドライアイですし、涙の水分量は正常なのに短時間で蒸発してしまう場合もドライアイです。

それに対して、涙液減少症は涙の量が実際に減少している場合に、乾性角結膜炎はそれに加えて何らかの傷がある場合に限定されて使用される用語です。
しかし、最近はすべてドライアイで総称するようになってきています。

 

犬や猫のドライアイは、涙を分泌する涙腺の分泌細胞の機能そのものが、低下してしまうことによって涙が均等に行きわたらなくなり、目の表面に傷が生じる病気です。
いわばドライアイは涙の病気といえます。
まばたきの回数を増やしても改善することのない、やっかいな眼の病気なのです。

 

猫よりも犬での発生が多く、シーズー・パグ・ペキニーズは、他の犬種よりも発生率が高いようです。

 

そもそも涙ってなんだ?

涙

涙の働き

  • 角膜への酸素、栄養補給
  • 乾燥を防ぐ
  • 細菌などの侵入を防ぐ
  • 角膜や結膜に付着したゴミやホコリを洗い流す
  • 黒目の表面を滑らかに保つ

 

涙の成分

涙は、油層、水層、ムチン層という成分から成り立っており、それぞれバランスを保つことで涙の安定性を保っております。

  • 油層
    涙の層の一番外側にあり、脂肪質の液体が集まっています。
    目の表面に薄い油の膜を張って、涙の蒸発を防ぎます。

 

  • 水層
    真ん中にある層で、涙の大部分が集まっています。
    この層には、アミノ酸やブドウ糖といった栄養成分や、リゾチームなどの感染症を予防する成分のほか、ビタミンAなどの細胞がダメージを受けたときに修復してくれる成分が含まれています。

 

  • ムチン層
    一番内側にあり、角膜と接する層です。
    「ムチン」というのは、結膜の細胞から分泌される粘液のこと。
    このムチンは、水分をしっかり捕まえて、その水分を目の表面にバランス良く行き渡らせる役目をもっています。

 

 

 

また、「まばたき」は、涙の分泌を促す刺激となって涙を出したり、目の表面に涙を均等に行きわたらせるはたらきを担っています。

 

 

 

 

症状

ドライアイにより角膜や結膜に炎症を起こすことで、さまざまな症状が起こります。
初期には目ヤニが多くなったり痛みを訴えたりといった様子が見られます。
あまりに重症化してしまうと、失明の可能性もあります。

 

乾燥している

本来、正常に涙が出ている健康な眼では、よく観察すると眼球と下まぶた(下眼瞼)が接する部分に、ほんの少量の涙が貯まっているのがわかります。
しかし、ドライアイの動物では、その部分に涙が貯まっている状態は観察されません。

 

 

目ヤニ

白、または黄色っぽい、固まった目ヤニが目の周りを覆ってしまうほど出てしまいます。
目の周りの毛にこびりついてしまい、毛と目ヤニが目を塞いでしまうこともあります。

 

 

目の痛み、痒み

炎症を起こすと、痛みやかゆみがでます。
犬自身が目を気にして掻いたり、擦りつけたりしてしまいます。
それにより、炎症がひどくなってしまう可能性もあります。

 

 

目の濁り

眼の表面(角膜表面)の輝きがなくなります。
さらに炎症を起こした角膜は 白っぽく濁って見えます。
重症化すると、角膜に穴があいてしまう事もあり、目を横から見るとへこんでいる部分があるのが解ります。
この場合は一刻もはやく動物病院へ連れて行ってあげましょう。

 

 

 

慢性化すると

涙腺に異常があるため涙が不足した状態が慢性化し、軽い結膜炎と角膜炎の症状が長く続きます。
そのため角膜は光沢と透明度を失い、結膜は赤くなって分厚くなります。

さらに時間がたつと、角膜が広い範囲で黒ずんで完全に透明度を失い、結膜から出血し、ひどい目やにが結膜全体をおおいます。

そのまま放置すると、角膜に穴があく、まぶたが癒着するなどの症状を併発することがあります。

 

 

 

一時的な乾性角結膜炎

かるい結膜炎や毛区膜炎と似た症状があらわれます。
黄色いねっとりとした眼やに及び、白眼(眼球結膜)や上下のまぶたの内側の結膜の充血です。
普通の結膜炎と間違えられやすいのですが、普通の結膜炎の眼薬等の治療では治りません。

 

角膜炎

涙の量が少なくなってしまうことにより、角膜に酸素や栄養が十分に行きわたらなくなってしまいます。

結果的に様々な角膜障害を引き起こします。その代表が角膜炎で、角膜の一部が白っぽく濁ったり、色素沈着を起こし逆に黒く濁ったり、また透明な角膜(角膜は本来血管のない組織です)に血管が辺縁により入り込んでしまったり、角膜は傷つきやすくなったりします。
角膜が極軽度濁ってもわかりにくいのですが、部屋を真っ暗にしてペンライト等で照らすと良くわかります。

 

 

 

 

原因

原因は多岐にわたり、また不明な場合も多い。

 

免疫介在性疾患

これは免疫システムの異常で、免疫細胞が自己の涙腺の細胞を異物と間違って認識してしまい、自分の涙腺細胞を破壊してしまいます。

当然、涙腺細胞が破壊されると涙を作ることができなくなってしまうのでドライアイになってしまいます
犬のドライアイの原因の中で、一番多い原因です。

 

 

全身性疾患

たとえばジステンパーウィルスに犬が感染するとドライアイが起きる事があります。
ジステンパーは感染力の強いウィルスで、栄養状態の悪い犬が感染すると死亡率は50~90%と非常に高くなります。
また、犬ジステンパーに感染して回復したとしても、約50%の犬にその後遺症が残るといわれています。
後遺症は失明や神経症状、歯のエナメル質形成不全など
ジステンパーウィルスが全身に感染したうちの1つとして涙腺細胞に感染すると、涙腺の分泌機能が低下してしまうことにより起こります。
ジステンパーに対する治療で運よく回復した犬では、その回復にともない涙腺分泌機能が回復するケースがあります。

 

 

 

神経性障害

涙の分泌に関係する神経細胞が冒されたり、あるいはまばたきをするための神経(顔面神経)が冒されたりすると、ドライアイが起こることがあります。

 

 

慢性眼瞼結膜炎

眼瞼炎(まぶたの炎症)や結膜炎等を慢性化させてしまうと涙腺組織にも炎症が広がり、その炎症により涙腺の分泌細胞の機能が低下してしまうこともあります。

 

 

そのほかにも

  • 身体的特徴
    シーズー、コッカー•スパニエル、パグ、キャバリア•キング•チャールズ•スパニエルなど
    これらの犬種は元々目が大きく、涙が蒸発しやすいためにドライアイになりやすいと言われています。

 

  • 副作用
    放射線療法や薬物によるもの

 

  • 涙腺の異常
    涙腺がないためまったく涙が作られていないか
    涙腺の異常は、先天的に涙腺に異常がみられる場合や老化現象などによるもの

 

 

 

 

治療

原因が特定できないことが多いので、治療は対処療法が主となります。

それらの原因の中で一番多い原因である免疫介在症ドライアイの場合、主に免疫抑制剤の入った眼薬が使用されます。
人工涙液の点眼などの涙液補充療法とともに、細菌感染のある場合には抗生物質の点眼をすることもあります。
また、目を自分で掻いて悪化させないように、エリザベスカラーなどで目を掻けないような工夫をすることが必要です。

 

 

ヴィジョティアーズ

ポリビニルアルコールとポビドンとクロルブトールが配合された犬猫用目薬です。

涙の生成を促進、維持することにより犬の結膜炎、ドライアイなどの症状を緩和します。

内容量 15ml
1本 1,657円
2本 2,321円
3本 2,985円

 


ナチュラルビー点眼薬

ポリビニルアルコールとポビドンが配合された目薬(点眼薬)です。

涙の生成を促進、維持することにより犬の結膜炎、ドライアイなどの症状を緩和します。

内容量 10ml
1箱 1,251円
2箱 2,314円
3箱 3,371円
6箱 6,365円

 

 

内容量 
1,147円

 

これらの眼薬で全てのドライアイが治る訳ではありませんが、多くの場合点眼を始めて2〜3週間くらいで眼が潤いはじめ、黄色い独特の眼やにも減少してきます。
このように治療に反応のあるケースでも、多くの場合、終生点眼を続ける必要があります。
特に早期に発見し早期に治療を始めた場合、治る率は高くなると考えられます 。

 

また、角膜と結膜を保護するために人口涙液を点眼したり、眼球表面と結膜を保護するために軟膏を塗ったり
あるいは涙の分泌をうながす薬を与えます。
まめな洗眼が良い効果を上げる場合もあります。

 

オプティミューン眼軟膏

免疫抑制剤のシクロスポリン眼軟膏です。
ドライアイや角結膜炎に使え、催涙作用があるので涙がでてきます。

内容量 3.5g
1本 3,643円
2本 6,697円
3本 9,734円

 

ヴィジョケア

オプティミューンのジェネリック医薬品です。そのためお求めやすい価格になっています。
オプティミューンの半分以下という安さ。
中身は同じ、免疫抑制剤シクロスポリン眼軟膏です。

内容量 3.5g
1本 1,878円
2本 2,779円
3本 3,665円
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外科的処置

上記のような処置をしても効果がない場合は、徐々に症状が進行していき、手術によって耳の耳下腺管を結膜に移植して涙腺の代わりにするなどの特殊な治療を施すこともあります。

 

 

予防

早めの受診

ドライアイによる目の炎症で目に深刻な問題が起こっている場合には手術が必要になることもあります。
また、炎症が慢性化して治りにくくなることも多々あります。
悪化する前に動物病院で適切な治療を受けましょう。

 

継続しましょう

炎症がおさまっても、ドライアイに対しては継続的に治療する必要があります。
人工涙液や涙液の分泌を促進する薬などの点眼薬で目が乾かない状態にします。
点眼薬ですと比較的すぐにまた目が乾いてしまいやすいので、軟膏タイプの薬を常備しておくといいでしょう。

 

目ヤニを残さない

目ヤニをそのままにしておくと、目の周りの皮膚が炎症を起こしてしまい、余計に痒くなってしまいます。
散歩などで外出した後にはきれいに汚れや目ヤニを落とし、その後で軟膏をつけると、より清潔で効果的に目のケアができます。

 

予防接種

ジステンパーウィルスによって涙腺の異常をおこしドライアイになりますが
予防注射でほぼ100%予防はできるので接種するようにしましょう。

 

ドライアイ検査キット

こんなものが登場しました。

犬のドライアイを検査することができます。


犬が上を見上げた状態で、下結膜嚢へ試験紙の丸い方を挿入します。
少なくとも30秒から2分間、そのままキープします。
その後、試験紙を取り除いてください。

これによって涙の分泌量をはかることができます。

30秒から2分間・・・試験紙を目に入れたまま??
私には難易度が高く感じますが・・・
きっと欲しい人もいると思います。

 

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