消炎目薬

フルオメトロン点眼液

合成副腎皮質ホルモン(ステロイド)製剤で、抗炎症作用や抗アレルギー作用により、目の炎症を抑えます。
通常、眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、虹彩炎などの目の炎症性疾患の治療に用いられます。

症状の強いときや角膜の障害で視力障害のおそれのあるような場合には、炎症の火消し役として高濃度製剤(0.1%)が用いられます。

ただし、ステロイドには強い抗炎症作用がありますが、根本的な原因を治すものではなく、あくまでも対症療法として使用されるものです。

病気の原因そのものを治すお薬ではありません。

 

有効成分 フルオロメトロン

ステロイドの目薬です。
ステロイドには炎症をとる強い作用があります。

炎症による腫れや赤みをおさえ、かゆみや痛みをやわらげます。
炎症性の目の病気、たとえばものもらい、結膜炎、角膜炎、ブドウ膜炎、手術後の炎症などに広く使われています。
花粉症のアレルギー結膜炎にも用いられます。

 

作用

フルオロメトロンがマクロファージや白血球などに作用するとリポコルチンが合成され、このリポコルチンがホスホリパーゼ A2 を阻害し、結果として炎症反応が抑制されます。
また、フルオロメトロンは、アラキドン酸代謝産物以外のオータコイド(ヒスタミンやブラジキニンなど)の作用も抑制し、抗炎症作用を示します。

 

特徴

素早く長く効く

有効成分フルオロメトロンは懸濁液なので目の表面に長くとどまる利点があります。

点眼を行った場合の組織内濃度は、角膜で5分後に、房水では45分後に薬の濃度がピークに達することが分かっています。

 

  • 懸濁液
    液体中に0.1~10μm程度の固体微粒子が分散したもの。
    墨汁などのようなもの。

 

安全性が高い

病気を生じている局所だけに作用するため、点眼薬では薬の効果を最大限に発揮させ、副作用を最小に留めることが可能です。

実際、点眼薬で用いられるステロイド剤には副作用がほとんどありません。

眼内への移行が少なく、眼圧上昇などの副作用も少ないと考えられています。

ただし、長期間の使用は感染症や眼圧上昇などのリスクを増大させます。

 

 

なぜステロイドが必要なの?

炎症は感染症から身を守るために必要な機構です。

例えば、傷を負うと患部が腫れていきます。

これは、炎症が起こることで白血球などが集まり、血液を介して細菌が全身を巡らないように制御しているのです。

 

つまり、炎症は私たちの体にとって必要な防御機構です。

しかし、炎症の作用が強すぎる場合、体にとって悪影響が表れるようになります。

いくら感染症から身を守るためであるとはいっても、適度な炎症作用が望ましいのです。

 

そこでステロイド

 


ステロイドは、炎症に関わる物質の働きを強力に阻害する作用が知られています。

これにより炎症を抑えることができるのです。

 

目の場合

目の炎症として眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎などが知られています。

これらが長く続くと、目に障害が起こります。

そこで、薬によって炎症を鎮めます。

そのときに有用な薬がステロイドです。

 

使用上の注意

下記の場合は使用を控えてください。

  • 角膜上皮剥離又は角膜潰瘍、
  • ウイルス性結膜・角膜疾患
  • 結核性眼疾患
  • 真菌性眼疾患又は化膿性眼疾患

 

免疫抑制効果による不利益

一般的にステロイドの作用としては免疫を抑制する作用があるため、細菌やウイルスなどのバイ菌に感染するリスクが上がります。

そんな中で感染によって化膿している目にステロイドを投与してしまうと、免疫を抑えてさらにバイ菌が繁殖されます。

細菌、ウイルス、真菌、アメーバなどによる角膜炎は、ステロイドによる防御反応の抑制によって生じるものの代表例です。
角膜炎が悪化すると、角膜潰瘍、角膜裂孔を生じることがあります。

健康な身体であれば防御反応によって病原体の侵入を防ぐことができても、ステロイド点眼薬を使用している場合にはそれらの感染リスクは高まります。

ステロイドによって防御反応が抑えられた結果、招いてしまった疾患といえます。

 

また、ステロイドは傷を治りづらくする作用もあります。

そのため角膜に傷がある状態でステロイドが入ると傷の治りが遅くなるばかりか、悪化する可能性があります。

 

副作用

ステロイド点眼薬を数日使う程度でしたら、副作用の心配はまずありません。
けれど、長く続けていると、いろいろな副作用がでやすくなります。

とくに、目の感染症、眼圧上昇、緑内障、白内障などに注意が必要です。

ステロイド点眼薬で生じる可能性のある副作用は以下の通りです。
  • 眼刺激感
  • 結膜充血
  • めやに
  • アレルギー性結膜炎の悪化

 

開封後は《30日以内》にご使用ください。

目薬は開封後の保存状態などにもよりますが、一度開封すると空気に触れることで薬が酸化したり、空気中の雑菌が目薬の中に少しずつ入ってしまうことがあります。
30日以上経過した残液は使用しないでください。

尚、未開封の状態では使用期限内の保管は問題ございません。

 

フラレックス

通常、1回1〜2滴を1日2〜4回点眼します。

内容量 1本 5ml
有効成分 フルオロメトロン 0.1%

L2-fl05-02

 

 

上記記載の価格はUSドルを日本円に換算したものです。
海外で販売されている動物用医薬品を個人輸入の代行を利用することになるので購入のタイミング時の為替価格の変動で販売価格が変動することがあります。

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