副腎の機能が低下する病気で、アジソン病ともいわれます。
クッシング症候群とは正反対の疾患です。

クッシング症候群や糖尿病と比較すると発症率は低いものですが、発症してしまうとこれらと同様に完治が難しい病気です。

また、人間や猫に比べて犬の発症率が高い病気でもあります。

 

副腎ってなーに?

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こんな感じで腎臓のうえにちょこっと乗ってるモノが副腎です。

副腎皮質からは、コレステロールを原料にさまざまな種類のステロイドホルモンが分泌されます。
それらのホルモンをまとめて副腎皮質ホルモンと呼んでいます。

例えば

  • 糖のコントロールや炎症の抑制に関わる糖質コルチコイドは全身に作用します。
  • 尿への電解質排泄をコントロールする鉱質コルチコイドは腎臓の遠位尿細管に作用する。
  • 男性ホルモン(アンドロゲン)が放出される。

 

 

 

糖質コルチコイドの一種 コルチゾール

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炭水化物、脂肪、およびタンパク代謝をコントロールし、生体にとって絶対必要なホルモンである。
主にストレスと低血糖に反応して分泌されます。
ストレスから体を守り、ストレスから体を守り、体内での糖の蓄積と糖利用の調節、血圧を正常に保つ機能があります。

  • 血糖値の維持
    低血糖時に血糖の維持のために肝臓に指令をだします。
  • 皮膚の炎症の抑制
    コルチゾールは、湿疹、発疹、皮膚炎、アレルギー、関節リウマチなどによる炎症を抑える働きがあります。

他にもさまざまな役割があるホルモンです。

 

 

鉱質コルチコイドの一種 アルドステロン

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塩分、カリウム、水分のバランスを保つのに重要な役割をします。

  1. 尿から血液中へのナトリウムイオンの再吸収を増加させ、カリウムイオンの尿中への排泄を促進する。
  2. 血液量、血圧、血中のナトリウムイオン、血中のカリウムイオンの濃度の調整に関与する。

 

そのためアルドステロンの分泌量に異常が起こると、ナトリウムと水分を蓄えるために高血圧になります。

 

 

副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の分泌が低下することで、代謝の活性が落ち、低血糖や低体温、循環不全などが起こります。
また、ミネラル代謝に異常が起きて、血液中のナトリウムが低下していきます。

このように、副腎皮質ホルモンは、身体のさまざまな機能を動かす働きをしています。そのため、急性の症状が出た場合は、ショック症状を起こすことがあり早急な治療が必要となります。

 

 

症状 食欲減退、抑うつ状態など

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アジソン病の症状は、急性のものと慢性のものとに分かれます。

急性

なんらかのストレスを感じた時に発症し、急に元気がなくなり、ふらつきが出て突然倒れてショック状態に陥り、急性の場合は命に関わります。

副腎クリーゼ、副腎機能不全などと呼ばれています。

 

慢性

食欲が落ちる、元気がなくなる、吐いたり下痢したりする、体重が落ちる、抑うつ状態などの症状がみられ、この症状が出たり、消えたりを繰り返します。

また、水をたくさん飲む、尿の量が増えるといった症状がみられることもあります。

進行すると、体重が減少し、ふらついらり、ぐったりします。
激しい症状が現れた時には副腎皮質の90%以上が破壊されており、ストレスがかからなくても症状がみられるようになります。

 

 

 

 

 

原因 副腎の働きが悪くなる

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アジソン病は、副腎皮質からのホルモンが十分に分泌されないことで起こります。

アジソン病は原発性副腎皮質機能低下症です。
手術による摘出、出血、腫瘍などによって副腎からのホルモン分泌が減少すると発症します。
完治する方法は今のところ見つかっていない。

 

原因から大きく分類して3種類

 

1.プライマリーアジソン

副腎皮質自体が免疫を介して破壊されたりときや、腫瘍や薬剤などで破壊されたりして起こる場合
自分の免疫による疾患です。

これは犬のアジソン病の中で最も一般的なタイプと言われています。

自分の免疫が副腎を攻撃することにより、副腎がダメージを受けます。
そのため、十分な量のステロイドホルモンを合成することができなくなり様々な症状が起こります。

プライマリーアジソン病のもう一つの原因は、副腎の腫瘍です。

 

2.セカンダリーアジソン

副腎皮質に指令を与える視床下部や下垂体に異常があって起こる場合です。
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の不足の結果、発生します。

 

副腎皮質刺激ホルモンとは

脳の視床下部から命令が出て、下垂体から出るホルモンで副腎を刺激して副腎皮質ホルモンを分泌させます。

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副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)は下垂体で生成され、コルチコステロイドを作る副腎を刺激します。
そのため下垂体が炎症を起こしたり損傷したり、下垂体腫瘍がある場合、十分な量のACTHを作ることができなくなります。

そのためさまざまな症状が現われます。

 

 

3.非定型アジソン

プライマリーアジソンのように、副腎が正常に働くことができないときに、非定型アジソンが発生します。
しかし、プライマリーアジソンと違いは、非定型アジソンは副腎が十分な量の糖質コルチコイドホルモンを分泌することができないだけで、鉱質コルチコイドの一種 アルドステロンは正常範囲の機能があるため、電解質のバランスは正常です。

このようなタイプは非定型アジソン病と呼ばれています。

副腎の原発性の場合

糖質グルチコイドが欠乏した状態で、鉱質コルチコイドは正常値なら、通常の原発性副腎皮質機能低下症の初期です。
そのため、いずれは鉱質コルチコイドも欠乏し電解質が発生するでしょう。
しかし、中には鉱質コルチコイド欠乏に進行しない症例もあります。
原因は不明です。

下垂体機能不全による場合

糖質コルチコイド欠乏は、続発性副腎皮質機能低下症といいます。
下垂体や視床下部が壊れていたり病変がある場合、ステロイドの長期投与で副腎萎縮が起こっていることもあります。

ステロイドの過剰投与による続発性副腎皮質機能低下症は、投与量の使用を減らすことと投与頻度を減らして、最終的に投与を中止しましょう。
投薬を中止すれば、2~4週間以内に回復します。

また長期間または大量の合成副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)治療を突然やめた場合にも起こります。

 

 

 

アジソン病になりやすい傾向

2:1の割合で、メスの方がオスよりも発症しやすい傾向があります。

さらに、4歳前後のメスに多く発症するといわれています。

 

遺伝的になりやすい犬種

  • ウエストハイランド ホワイトテリア
  • グレートデーン
  • ロットワイラー
  • ノヴァスコティアダックトーリング レトリバー
  • レオンベルガー
  • スタンダード プードル
  • ポーチュギース ウォータードッグ
  • ベアデットコリー

 

 

 

 

 

治療 ホルモンを補う

アジソン病は早期で発見、治療が行えれば完治することもあります。
しかし、ほとんどの場合では飼い主が異常に気付くときというのは、急性の場合であることが多く、すでに重篤になっている可能性があります。

そのため、副腎皮質ホルモンを補うために、生涯、点満や注射など薬によってでホルモンを補充する必要があります。

 

 

副腎の病気があった場合

もし、副腎の病気が両方にあり両側の副腎を摘出しないといけなかった場合は、合成コルチゾールの役割をする薬を使用してホルモンを補充する必要があります。

もし片方の副腎だけでも残れば、残りの副腎だけで十分な量のコルチゾールとアルドステロンを作ることができます。

 

慢性の場合の治療

緩やかに発症する慢性型の場合、不足している副腎皮質ホルモンを補うために、副腎皮質ホルモンを似た働きをする製薬を投与していきます。
この補充療法で副腎が回復して、ホルモンが自ら生成できるようになれば薬はいらなくなりますが、基本的には生涯にわたる投薬が必要となるでしょう。

また、慢性型は、良くなったり悪くなったりを繰り返すという特徴があります。

 

 

フロリコット(Floricot)


犬・猫のアジソン病、および副腎皮質機能低下症の治療に用いる合成鉱質コルチコイド製剤です。

有効成分 フルドロコルチゾン酢酸エステル
ナトリウムやカリウムなどの代謝に作用する副腎皮質ホルモンです。
副腎皮質ホルモンの分泌に障害がでるアジソン病、副腎皮質機能低下症に用いることでで、動物体内にナトリウムを貯めて、カリウムを排泄します。
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プレドニゾロン (Panafcortelone)

有効成分 プレドニゾロン
アレルギーや炎症や自己免疫症、皮膚病やアジソン病、バクテリアショックの治療など幅広く用いられている副腎皮質ホルモン剤です。

臓器の副腎から分泌される副腎皮質ステロイドホルモンというホルモンのことで、ステロイドとも呼ばれています。

このお薬で不足している副腎皮質ホルモンを補充することができます。

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環境改善

ストレスがアジソン病の発症に影響をもたらしていると考えられています。

ストレスは慢性型が急性型になる危険があるので、環境を整えてなるべく犬にストレスがかからない生活をすることが重要になります。