巨大食道症(アカラシア)

食道の運動機能の低下によって、食べ物や水をうまく胃に送れなくなっていることによっておこる病気です。
その影響で食べたものを吐き出したり、肺のほうへ入ってしまったりします。
高い確率で寿命が縮むことになります。

 

 

症状

最もよく見られる症状は食べ物や水を摂取しても、食後比較的短期間のうちに吐き出します。

このとき普通に吐くのではなく、食べ物を遠くに飛ばすように吐き出します。
吐いたものを再び食べることもよくあることです。

吐いていしまうので栄養摂取に問題がでるため体重の減少が見られます。

巨大食道症にかかった犬の3分の2は、食道から吐くときに食べ物の一部が肺や気管に入ってしまい鼻炎」や「肺炎」を起こすことがわかっています。
また、炎症を起こした食道によって食欲不振やよだれが見られることもあります。

この病気の主な死因は、吐しゃ物が肺に侵入することでなる吸引性肺炎によるものです。

吸引性肺炎の症状

  • 体重の減少
  • 発熱
  • 鼻水
  • せき

 

原因

通常、食事をすると口から食道を通って胃に入りますが、このとき食道は蠕動運動(ぜんどううんどう)という収縮運動によって食べ物を後ろへ送ります。

人間は二本足で立っているので食道は垂直ですが、四本足の動物は食道が水平となっているので蠕動運動ができなくなれば胃腸に食べ物を送り出すことはできません。

この病気は食道全体の筋肉が収縮することができず蠕動運動ができなくなり、だらりとたるんでしまって後ろに食べ物を送ることができず、途中で溜まってしまいます。
これにより、吐いてしまったり、肺のほうへ誤って入ってしまうことになるのです。

行き場のなくなった食べ物で食道が巨大化するため「巨大食道症」と呼ばれています。
とくに食道が広がっていない時でも、「蠕動運動が止まっている」場合は巨大食道症と呼びます。

この病気はあらゆる年齢の犬に起こりますが、特に離乳して間もない子犬によく見られます。

 

原因は大きく2つに分かれます

 

先天性の場合

先天性の場合の原因ははっきりと解明されていません。
食道にまわりにある神経の欠損や異常により発症するといわれています。

発祥しやすい犬種

  • アイリッシュセッター
  • ゴールデンレトリーバー
  • グレートデーン
  • グレーハウンド
  • ジャーマンシェパード
  • シャーペイ
  • ダルメシアン
  • パグ
  • ニューファンドランド
  • ラブラドールレトリバー

下記の2種は病気が遺伝することが確認されています。

  • ミニチュアシュナウザー
  • ワイヤーヘアード・フォックス・テリア

 

病気によって食道が大きくなる場合

 

重症筋無力症
神経からの指令が筋肉にうまく伝わらないため、筋肉が疲労したり脱力してしまう病気

多発性筋炎

ホルモンの異常

ケガや病気による筋肉や神経の異常

副腎皮質機能低下症(アジソン病)

そのほかにも下記のような原因で食道が大きくなったり、食道の蠕動運動が止まってしまうことがあります。

  • 食道内に異物が入り込む
  • 食道炎にかかる
  • 食道が狭くなる
  • 食道の腫瘍
  • 食道周辺の血管に異常が起きる
  • 食道の一部に膿がたまる
  • 食道がひどく締め付けられる

 

治療

先天性ものは現在、有効な治療法は見つかっていません。
完全な治療は難しいため、吐かないようにごはんを食べさせることが非常に重要となります。

後天性のものは原因となる病気の治療が必要です。

 

ゴハンの食べさせ方

少ない量の給餌を1日に何度かに分けて与えます。

犬の前足を台や階段の上にかけさせて、頭を高い位置にあげて食べさせます。
そうすることによって重力によって食べ物を食道から胃に移動させることができます。
可能なら食事が終わったあと、15分~30分は頭を45度から垂直に持ち上げた状態にしておきます。

 

おとなしい性格の犬の場合

このように縦長の箱にいれて食後は30分ほど入れておくと良いでしょう。
小型犬の場合には、食後10分間くらい立った姿勢で抱っこしてあげましょう。

ごはんについては、症状や犬の種類によって違ってきますが、ドライフードを水やお湯でふやかしてから食べさせると消化が良くなるため、吐くことが少なくなります。

個体差によって固いものか柔らかいもののどちらが吐きにくいかは変わってきます。

 

参考動画

大切なポイント

死亡の原因の多くは吸引性の肺炎です。
食事を上手に行うことが大切です。

巨大食道症はかなり経過が悪く、約70%の犬が最終的に死亡します。
そのうち80%あまりが1年半以内に死亡します。

この病気は多くの場合、遺伝が関係しているので同じ病気を持つ犬同士の交配はさせないようにしましょう。

 

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