多剤耐性菌

 

 

 

多剤耐性菌とは、多くの抗菌薬(抗生物質)に対して耐性を獲得した菌のことです。

つまり、複数の薬剤に対して強くなった細菌やウイルスなどの病原微生物ということです。
近年では多剤耐性菌の発現により抗菌薬の投与だけでは対応できない症例もあります。

多剤耐性菌の問題は、耐性を持ったDNAが引き継がれて次の細菌も耐性を持つことです。
つまり生き残りがどんどん耐性を獲得して強くなっていくということなのです。

人間は新しい薬を開発し対抗していかないと、いずれすべての薬が効かない細菌が発生するかもしれません。

 

 

耐性菌の耐性はどうやってできる?

人類は抗生物質の発見によって多くの細菌から生き延びることができましたが、菌やウイルスのほうも抗生物質に対抗してさまざまな方法で強くなってきました。
どんな風に強くなったのか?

突然変異

突然変異とは遺伝子が変化して、親の遺伝子とは違った性質を持つ子孫ができることをいいます。
細胞は分裂を繰り返しながら増えていきます。
分裂して同じ細胞を作るには、遺伝子を複製しなければなりません。

ですが、この複製の過程でミスが発生して遺伝子を少し組み違えてしまうことがあるのです。
そうすると元の細胞とは違う性質のものが誕生してしまいます。
これが突然変異です。

突然変異はそれほど頻繁に起こるものではありませんし、その突然変異が生きていくための温度が変わってしまったり、能力を失ったり、して死んでしまうこともあります。
しかし、ときには新たな能力を手に入れることもありえるのです。

 

こんな風に新しい力を手に入れた病原性のある細菌が、抗生物質や消毒薬が効かないタイプが発生するのです。
耐性のない同じ菌が抗生物質で倒されていく中、新たな抵抗力を身に付けた菌だけがどんどん増えてくことで耐性菌が出現するのです。

 

主にフルオロキノロン系の抗菌剤(細菌のDNAの複製を阻害して殺菌する効果がある)に対する耐性は突然変異株の出現 細胞分裂に対して一定の割合で出現することがわかっています。
ゆえに、これを防ぐことは難しいようです。

 

 

 

抗菌薬の選択

  • 定められた用法・用量および投与期間を守る。
  • 低い用量、途中で中止すると耐性菌が出現しやすい。

 

外用療法の併用

  • 範囲が狭くて、被毛が少ない部位では抗菌剤軟膏が使用可能です。
  • 範囲が広いとき、被毛部位に病変がある場合はシャンプーの併用、または治療の中心にする。

 

抗菌薬の濫用しない

  • 副腎ステロイドホルモンを投与するとき。
  • 抗菌剤が必要でない場面での過剰投与は出現頻度を高める。

 

まとめ

耐性菌は突然変異株です。
自然界でも起こりえますが、他に菌がたくさんいるため耐性をもつ突然変異種は簡単に増殖できません。

しかし、抗生物質などを使うことで他の菌が死に耐性菌だけが残ることでどんどん増えるのです。
こうして数を増やし伝染し増えていくことで薬の効かない菌ができあがるのです。

多剤耐性菌の発生をさせないところが肝心です。

 

飼い主は症状が改善されると、しばしば投薬を中止してしまうが、早期の投薬中止は再発と耐性菌の発現を招くことを十分に理解して薬を使わなければいけません。

 

 

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