寄生虫症

条虫症(じょうちゅうしょう)

条虫という寄生虫が体内に寄生することで症状が起こる病気です。

条虫はレンコンのように楕円形がいくつもつながったような形状をしており、ノミを媒介として感染する病気です。

条虫という寄生虫を取り除くとともに感染源のノミを完全に駆除しなければ根絶できません。

 

症状

軽度の場合はほとんど症状はありません。
しかし、どんどん条虫が数が増えて重症化した場合、食欲不振や下痢、軟便などのほか痩せて毛つやが悪くなり栄養不良の状態になることもあります。

通常は排泄された片節が肛門のまわりを刺激してしまうため、犬は違和感を感じて肛門をしきりに舐めたり、おしりを地面にこすりつけて前進させたりします。

このような動作をするときには、犬のおしりのまわりをよく観察すると、白米のように白いゴマのようなもの、「条虫の乾いた片節」を発見することができます。

 

原因

条虫とは寄生虫の一種であり、瓜実条虫という名前で、俗にいう「サナダムシ」です。
条虫には口や消化管がないのが特徴です。

頭には吸盤とトゲがあり、犬の小腸の壁にくっついて体表から栄養を吸収します。

瓜実条虫は100個を超えるウリの実が連なったような形をしていて、そのウリ一つを片節(へんせつ)と呼びます。

 

瓜実条虫の感染のサイクル

1.ノミが条虫の卵を食べる

条虫の卵をノミの幼虫が食べると、虫卵はノミの体内で孵化し感染子虫になります。

 

2.犬がノミを食べて体内に入れてしまう

犬が自分の体を舐めたり噛んだりしたときに、この感染したノミの成虫を飲み込むと条虫に感染することになる。

 

3.条虫が成長する

ノミから犬の小腸に移り、栄養を吸収して、犬の体内に入った条虫の感染子虫は小腸内で2~3週間ほどをかけて成虫になります。

 

4.卵を作る

成長するといくつもの節が連なるようになり、全長50cm以上になります。
そして瓜のようになっている片節に卵が入っており成熟すると分離します。

 

5.犬のフンと共に卵が排出される

片節の内部には8~15個の虫卵が入っており1個づつちぎれて、糞便とともに排出されます。
排泄された片節は、時間がたつと便の表面や肛門のまわりの毛に付いたまま乾燥します。
乾燥した片節は破れて、中の虫卵がまき散らされます。

 

6.1に戻って繰り返される

 

治療

体内の寄生虫と媒介であるノミの駆除を同時に行いましょう。

内部寄生虫薬

内部寄生虫には内服薬が有効です。

 

ドロンタール(猫用)

有効成分 駆除対象
プラジクアンテル

パモ酸ピランテル

猫回虫

猫鉤虫

瓜実条虫

猫条虫

  

 

 

キウォフ(猫用)

ドロンタールのジェネリック薬になります。

有効成分 駆除対象
プラジクアンテル

パモ酸ピランテル

猫回虫

猫鉤虫

瓜実条虫

猫条虫

  

 

ミルベマックス(猫用)

有効成分 駆除対象
ミルベマイシンオキシム

プラジクアンテル

猫回虫

猫鉤虫

瓜実条虫

体重別
0.5-2kg  2kg以上

 

ノミの駆除方法

元凶であるノミの駆除薬もおこなわなければいけません。

スポット薬が簡単で効果が高いです。

首筋から肩甲骨あたりに薬液を落とすだけです。

 

また、生活環境の改善も必要です。
犬小屋や毛布にはノミの卵がある可能性が高いので熱湯をかけて洗濯しましょう。

 

予防

ノミがいなければサナダムシに寄生されることはありません。
ノミが付かないように気を付けて、飼育環境も掃除をこまめに行いましょう。

またノミがついていないかブラッシングの際によく見ておきましょう。

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