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アミトラズで薬浴

シャンプー療法で不十分なケースではニキビダニの殺虫を行います。
薬浴には「アミトラズ」という薬剤を使用することが多いと思います。
(※アミトラズ:日本では適用外使用となります。海外では犬用治療薬として広く使用されています)

作用

アミトラズはダニの体内での細胞から細胞へ情報伝達をするためのタンパク質のバランスを乱すことで、体の活性化を阻害します。

マダニがアミトラズに接触するとマダニのオクトパミン受容体が活性化し、マダニに振戦(ふるえ)や痙攣を引き起こします。

オクトパミンは無脊椎動物(昆虫やクモなど)にみられる神経伝達物質であり、脊椎動物では合成されず受容体も存在しません。
そのためダニには効くけれど脊椎動物である犬には効かない。という毒だと思ってください。

 

使用方法

毛穴がつまっていると薬剤がニキビダニにうまく届きませんので、必ず前日に角質溶解シャンプーで皮膚の洗浄をおこないます。

アミトラズはぬるま湯で規定の量にうすめて使用します。
患部の毛穴に十分しみこませるように塗布していきます。

薬浴後は、水ですすがず、軽くタオルでふいた後、風乾させます。

 

これを1~2週間に一回のペースでおこないます。
アミトラズは非常に効果的な薬剤ですが、殺虫剤なので、使用には注意が必要です。

 

副作用があります。

自然乾燥なので、乾くまでのあいだは絶対に犬になめさせてはいけません。
経皮的にはほとんど吸収されないが、経口摂取すると異常興奮などのアミトラズ中毒症状を引き起こすため、注意が必要である。

主な症状

  • 眠くなる
  • かゆみや発赤
  • 運動失調
  • 痙攣発作
  • アミトラズ中毒
  • 体温低下
  • 中枢神経抑制
  • 元気消失
  • 異常興奮
  • 低体温
  • 低血圧または高血圧
  • 徐脈
  • 落葉状天疱瘡の発生

 

治療を必要とするケースもありますので、病院でも慎重に処置をすすめていきます。
目や口にはいらないように十分注意します。
コリーのような長毛種では、毛を短くカットしたほうが懸命です。

 

また、洗う人がアミトラズ特有の蒸気に、めまい、頭痛、悪心、嘔吐などを生じることもあります。以上のような危険性から、薬浴は病院か、よほど慣れたひとに頼むべきです。

 

アミトラズは一度開けると急速に効果が低くなります。使用の度に未開封の製剤に変えるようにします。

 

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