細菌は1~10ミクロン(1ミクロン=1mmの1000分の1)ほどしかない小さな生物です。
しかし、地球上には膨大な数の細菌や微生物がおり、それらが動物の体に侵入すると異常が起こって病気になります。
細菌
膿皮症
不衛生で汚い環境にいると、皮膚の擦り傷や噛み傷から黄色ブドウ球菌などが侵入し、皮膚が赤くなり痒みが起こるようになります。
最初のうちは皮膚の表面にポツポツと小さな赤い発疹が見られる程度ですが、膿皮症は強い痒みを伴いますので、痒い部分を何度も噛んだり掻くために、さらに広い範囲にまで感染が広がり、皮膚の色が黒ずんでいきます。
脂漏性皮膚炎
マラセチア菌という常在菌が何らかの原因で増えすぎて炎症を起こす皮膚炎です。
皮膚が赤く、べたべたした感じで痒みがあります。
脱毛と体臭が強くなります。
皮膚糸状菌症
皮膚に真菌(カビ)が繁殖している状況です。人でわかりやすくいうと水虫になった状態です。
そのため人間にも移ります。
かゆみはあまりありませんが円形脱毛が起こります。
破傷風
土壌中に存在する破傷風菌は犬の体表が土で汚れたときに傷口から侵入し、体内で毒素を産出します。
この毒素によって引き起こされる急性の感染症が破傷風です。
運動神経と中枢神経がダメージを受けて全身が強直性のけいれんを起こします。
レプトスピラ症
レプトスピラと呼ばれる細菌の感染によって出血性の黄疸や尿毒症をおこす感染症です。
一般的には急性から慢性まで幅広く症状を示しますが、死亡率もかなり高い病気です。
症状を表さない場合や、急激に症状を表す場合などがある。
犬のほか多くの哺乳類が感染し、人間も感染します。
マダニを媒介として感染する
エールリヒア症
エールリヒア症は,マダニによって人に伝播されるエールリヒア属のリケッチア様細菌によって引き起こされる。
発症ははおおよそ8~20日間後です。免疫が正常なら、犬は、ほぼ生存して保菌犬となります。
重症度は、菌の種類や動物の状態によりますし、混合感染でより悪くなる場合もあります。免疫が低下していると、重篤な疾病になります。
ライム病
ライム病は、野鼠や小鳥などを保菌動物とし、野生の マダニによって媒介される人獣共通の細菌による感染症である。
ライム病は、感染した全ての犬に症状が出るわけではありません。
感染した犬のうち約5%が発症するといわれています。
その多くは「関節炎」を起こし、四肢に触られるのを嫌がったり、足を引きずったりします。
バベシア症
マダニを介して感染するバベシアという原虫が原因です。
バベシアは体内で赤血球を壊すため、重度の貧血に陥ります。そしてどの犬種もかかる可能性があります。
悪化すると体力が低下して他の病気を招くこともあります。
そして、ついには起きあがることも出来なくなって放置すると死亡します。