内部寄生虫駆除

フルベンダゾールとは?犬や猫の寄生虫駆除薬の効果と注意点を解説

フルベンダゾール(Fenbendazole) は、動物の健康管理において使用されることのある駆虫薬の一つです。

主に経口薬として投与され、寄生虫の感染症を予防・治療するために用いられます。

この薬剤は特定の寄生虫の発育や繁殖を抑える作用があり、適切な使用でペットの健康を守る助けとなります。


フルベンダゾールの一般的な用途

線虫類の駆除

フルベンダゾールは、以下のような線虫感染症に有効です:

  • 回虫(Toxocara spp.)
    主に子犬や子猫で感染が見られ、次のような症状を引き起こします:

    • 体重減少
    • 食欲不振
    • 腹部膨満(お腹が膨らむ)
  • 鉤虫(Ancylostoma spp.)
    消化管に寄生し、以下のような症状を引き起こします:

    • 下痢(時に血便)
    • 貧血(重度の場合は命に関わることも)
  • 鞭虫(Trichuris spp.)
    大腸に寄生し、以下のような症状を引き起こします:

    • 粘液や血液を伴う下痢
    • 脱水や体重減少

条虫類の駆除

フルベンダゾールは一部の条虫に対しても効果を発揮します。

  • マンソン裂頭条虫(Spirometra spp.)や犬条虫(Taenia spp.)
    条虫感染では、以下のような症状が見られることがあります:

    • 食欲低下または過剰
    • 体重減少
    • 肛門周囲を舐める行動(かゆみのため)

※条虫の種類によっては、他の駆虫薬が推奨される場合もあります。

一部の原虫の駆除

フルベンダゾールは原虫感染症にも使用されることがあります。

  • ジアルジア症(Giardia spp.)
    主に下痢や軟便などの消化器症状を引き起こします:

    • 慢性的な下痢
    • 脱水
    • 食欲不振や体重減少

フルベンダゾールの特徴

幅広い寄生虫に対応

フルベンダゾールは複数の寄生虫に効果を持つため、1種類の薬でさまざまな感染症を治療できる場合があります。

 

経口投与が可能

錠剤や粉末、ペーストなど、動物に与えやすい形態で提供されます。

 

比較的安全性が高い

通常の使用範囲では副作用が少なく、幅広い動物に安全に使用可能です。ただし、高用量や長期使用時には注意が必要です。


使用時の注意事項

 

獣医師の指導が必須

フルベンダゾールは、動物の体重や健康状態、感染している寄生虫の種類によって適切な用量や投与期間が異なります。

必ず獣医師の診察を受け、処方された場合のみ使用してください。

 

用法・用量を守る

獣医師の指示に基づき、正確に投与することが重要です。自己判断で投与量を変更すると、十分な効果が得られなかったり、健康を損ねる可能性があります。

 

副作用について

フルベンダゾールは比較的安全ですが、一部の動物では以下のような副作用が見られる場合があります:

  • 軽度の下痢や嘔吐
  • 一時的な食欲不振

異常が見られた場合は速やかに獣医師に相談してください。


健康チェックの重要性

フルベンダゾールの使用後も、定期的な糞便検査などを行い、感染の有無を確認することが推奨されます。

寄生虫感染は再発のリスクがあるため、予防措置を徹底することが大切です。

 

免責事項

  • 本記事は、ペットの飼い主様向けに一般的な情報を提供する目的で作成されており、特定の医薬品や治療法を推奨・宣伝するものではありません。
  • ペットの診療および薬の使用は、獣医師の指導に従う必要があります。
  • 記載内容は執筆時点での情報を基にしており、最新の状況や個別のケースに適合する保証はありません。
    必ず獣医師にご相談ください。

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