大型犬

ゴールデンレトリバー

ゴールデンレトリーバーはラブラドールレトリバーと並んで世界的に人気のある大型犬です。
ふさふさの美しい金色の被毛はゴールデンレトリーバーの大きな魅力の一つ。
また、その性格の良さから家庭犬にもピッタリです。

 

ゴールデンレトリーバーの性格

 

高い学習能力をもち、人間に対して気持ちを集中させ、感じ取る協調性を持っています。
従順で知的なため合図に忠実に従うことができる仕事が大好きな犬種です。

また、辛抱強く待つこともできます。

このような性格のため元々は鳥猟の際に、撃ち落とした獲物を回収する犬種でした。
水鳥を猟銃で撃ち落とした際に、水草の生い茂る湖を泳いで鳥を持って帰ってくる役割で活躍していました。
ゆえに泳ぎは得意です。

名前に Retriever:レトリーバーの意味は「回収する」が付く由来です。

 

家庭犬向け

狩りにも有能ですが、家庭犬としても優秀です。
高い学習能力は家庭のルールを理解し、すぐに覚えます。
常に周囲に気を配り、誰に対しても友好的で温和な性格を家庭でも発揮するでしょう。

また、スキンシップが大好きな犬種なので、人間に対して強く愛着を持ちます。

 

飼い主の責任

ゴールデンレトリーバーは狩猟犬を掛け合わせて作られているが、その性格は安定していて、自己防衛心があまりないが、その優しい犬という部分につけこんで甘えてはいけない。

飼い主がきちんと社会生活やしつけを行わなかったり、子供にいたずらさせ放題にするなどすればいくら性格が優しくてもトラブルは起こることを理解しましょう。

トラブルが起こるのは人間の落ち度が原因です。

 

 

 

ゴールデンレトリーバーの歴史

19世紀の中頃、イギリスで下記の組み合わせて交配されて作られた犬が祖先と言われています。

ウェービーコーデッドレトリバー
×
アイリッシュセッター

ゴールデンレトリバーに至るまでは何度か様々な交配を行っているようです。

 

 

かかりやすい病気

ゴールデンレトリバーには三大遺伝病と言われるほど起こりやすい病気を持っています。

  1. 股関節性形成不全症
  2. 心臓病(大動脈弁下部狭窄症)
  3. 眼病

 

股関節性形成不全症

股関節の発育または成長に異常が見られる病気で、大型犬に発症しやすく、特にラブラドルレトリバーとゴールデンレトリバーに多く見られる傾向があります。
ノルウェーの調査では約30%が股関節形成不全だった。というデータがあります。
体重12キロ以下の犬ではほとんど発症しません。

 

症状

発症すると関節が不安定となり、骨関節症などが引き起こされます。
最も多く見られる症状は股関節の炎症です。

あるくときに腰回りがふらふらしたり、歩くことや階段の昇り降りを嫌がるようになります。
痛みから動かなくなって座り込んでしまうなどの症状が見られます。

バニーホップ

典型的な症状としてバニーホップ(bunny hop)が見られます。
名前のとおり、ウサギのように後ろ足を両足揃えて飛ぶような動きを見せます。

ポイント
この病気は遺伝的素因の関与が大きいと考えられます。
母犬、父犬に発症があるかどうか確認しておくと良いでしょう。
骨格の形成がまだ不十分な子犬の時に足腰に負担をかけないよう気を付けるべきでしょう。

 

心臓病(大動脈弁狭窄症)

大動脈弁とは左心室から大動脈へ血液が送られる際の逆流を防ぐ弁です。
左心室が収縮すると同時に開いて血液を大動脈へ送り出し、左心室が拡張すると同時に閉じて血液の逆流を防止する役割をしています。

大動脈弁狭窄症はこの弁が十分に開かないため、送られるべき血流がうまくいかず左心室に大きな負担がかかる病気です。
送り出される血液量も減ってしまうため、心臓に筋肉である心筋も酸素不足に陥ります。

 

狭窄症にもいくつか種類がある

  • 弁狭窄:弁そのものに異常が生じる
  • 弁上部狭窄:弁の上側に狭窄が生じる
  • 弁下部狭窄:弁の下側に狭窄が生じる

などにに分けられます。
大型犬に多く見られる傾向にあり、ゴールデンレトリバーやジャーマンシェパード、ニューファンドランドなどで見られます。

症状は、狭窄の程度によって様々ですが初めのほうは症状が見られません。
しかし、徐々に進行していきます。
息切れ、不整脈、肺水腫、失神、突然死などが起こります。

 

眼病

 

遺伝性白内障
眼球のレンズの役割をしている水晶体が白く濁ってしまう病気
にごることで視界は濁って見えにくくなる。
加齢によっても起こるが、遺伝的になりやすい犬種がある。
徐々に進行して最終的には見えなくなってしまう。

ゴールデンが白内障にかかる可能性は高い。

 

進行性網膜萎縮症
光を感じ取る器官である網膜が徐々に委縮して、最終的に失明してしまう病気です。
暗いところがに見えにくくなるところから始まります。
つまずいたり、溝にはまったり、段差でぎこちなくなるなど見えにくくなったことによる行動の変化が起こります。
なりやすい犬種が存在します。

 

眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)、眼瞼外反症
まぶたがめくれ上がる病気です。
内側にめくれたり、外側にめくれたりします。
その影響で角膜や結膜が刺激されて炎症を起こします。
角膜炎や結膜炎、なみだがでたり、目ヤニがでます。

 

皮膚の病気

魅力のひとつである金色の美しい被毛を保つためには、毎日のブラッシングは欠かせません。
しかし、ブラッシングは被毛だけのために行うのではありません。
怠ると皮膚炎を引き起こしやすくなるのです。

神経性の要因から皮膚をひっかいて傷ついて、細菌症に感染したり、同じ場所を舐めすぎて起こる急性の湿性皮膚炎になりやすい傾向があります。

高カロリー、脂肪分の多いごはんや不衛生、通気性の悪い環境も皮膚炎の原因になります。

 

外耳炎

耳がたれている犬種では耳の中が蒸れて耳垢がたまりやすい傾向になります。
さらに、この犬種は耳の中も毛が生えているので外耳炎になりやすい。

週に一度の耳掃除がおすすめです。
子供のころから耳掃除やブラッシングなどのお手入れに慣れさせておくことで、スキンシップの一つとして受け入れるようになります。

 

その他

  • ガン(骨肉腫)
  • 肥満
  • A型血友病
  • アトピー性皮膚炎
  • 甲状腺機能低下症
  • 食道機能不全症

 

気を付けるべきポイント

股関節形成不全症が高確率でおこるため、生後半年くらいになったら歩き方に異常はなくとも股関節の検査を受けることがおすすめです。
肥満はこの病気を悪化させる大きな要因となるので注意が必要です。

また、子犬の時は骨格の形成がまだ不十分なので足腰に負担をかけないように注意しましょう。
給餌に特別にビタミンDやカルシウムを加える必要はありません。

 

ゴールデンレトリーバーのお手入れ

ふさふさの金色の被毛はゴールデンの大きな魅力のひとつです。
その被毛と皮膚を健康に美しく保つためにはブラッシングがかかせません。
怠ると皮膚炎になりやすくなります。

また、高カロリー、高脂肪の給餌、不衛生、通気性の悪い環境も皮膚炎につながります。

 

耳の病気にも気をつけたい

たれ耳であること、耳の中が毛でおおわれていることから、耳の中が蒸れて耳垢がたまりやすく、外耳炎にかかりやすくなっています。

イヤーローションなどを使って耳の中の汚れを、週に1度程度行いましょう。

子供のころから、ブラッシングや耳掃除に慣れさせておくとスキンシップのひとつとして受け入れるようになります。

 

その他

この犬種は暑さに弱い。
寿命は10~13年くらいです。

 

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