イパキチンは、犬・猫の慢性腎不全をサポートするためのサプリメントです。
腎不全の悪化が引き起こす尿毒症の要因であるリンを、炭酸カルシウムやキトサンなどが消化管内で吸着して体に吸収される前に体外へ排出します。
これによって尿毒症の予防に期待できます。
日本でも2016年7月に発売になった製品です。
慢性腎不全
慢性腎不全になると、症状が進行するにつれ腎臓の機能がどんどん低下していきます。
その結果、嘔吐や食欲不振の症状がでるため、体重が減少してしまいます。
さらに症状が進行すると最終的に腎臓はほとんど機能しなくなるため、体内の老廃物や毒素を排泄できず尿毒症になり、けいれんや昏睡などの神経症状を引き起こします。
また、慢性腎不全により腎臓が低下すると、下記のような合併症をもたらします。
- タンパク尿
- 高窒素血症
- 代謝性アシドーシス
- 貧血
慢性腎不全による尿毒症への対策
慢性腎不全になると血液中のリンの濃度が高くなります。
そのため尿毒症の症状を起こす可能性があります。
予防するためには、腸管でのリンの吸収率を減少させ、血中のリン濃度の上昇を抑える必要があります。
イパキチンの特徴
リンや老廃物を吸着
イパキチンには「炭酸カルシウム」と「キトサン」が含まれており食物に含まれるリンや脂質、塩分、尿素などを消化管内で吸着します。
これによって腎不全の悪化に伴う尿毒症の予防や軽減などが期待できます。
また、幼い子から老いた子まですべてのライフステージで使用可能。
療法食との併用も可能です。
無味無臭のパウダータイプなので、フードにかけやすく味の変化も与えません。
原料
- ラクトース
- 炭酸カルシウム
- キトサン
炭酸カルシウム
腎臓の機能が低下すると、リンの排出が十分できなくなり、血液中にリンがたまってしまいます。
このような状態を高リン血症と呼びます。
リンが多いとカルシウムが吸収されにくくなるため、骨がもろくなったり、血管の壁にリン酸カルシウムが付着することで動脈硬化を引き起こしたり、その他にもさまざまな障害がおこります。
そこで食べ物から摂取するリンを減らすためにリン吸着剤が使用されます。
そのときによく使われるのが炭酸カルシウムです。
炭酸カルシウムの働き
炭酸カルシウムを経口摂取すると、胃の中でリンと結合するため、食物に含まれるリンを吸着し体内への吸収を阻害します。
これにより血液中のリンの濃度が低下して、高リン血症が改善されます。
リンとカルシウムの血中濃度を正常にすることで、骨の変化を防ぎ、動脈硬化をおさえて心血管系合併症を防ぐことにもつながります。
キトサン
キトサンは、カニやエビなどの甲羅の形成に使われる繊維状の成分のことです。
これにはさまざまな効果があることが分かっています。
キトサンを経口摂取すると胃酸で溶けてコレステロールと混ざりやすくなります。
そのあと腸内で水分を多く含むことでゲル状になり、さまざまなモノを吸着します。
- 脂質、塩分
コレステロール低下や尿酸値の低下につながる - 尿素、リン酸
肝炎の原囚になるアンモニアや痛風の原因になる
コレステロール値の低下
胆汁は肝臓から排出される消化液の一つです。
腸内では胆汁もまとめてキトサンに吸着されます。
そのため新たに胆汁が作られますが、その際はコレステロールが必要になるため、結果的に血液中のコレステロール値が低下します。
ラクトース
日本語だと乳糖と呼ばれるもの。
無味無臭で使いやすい、体内での溶けやすさ、崩れやすさなどで賦形剤(ふけいざい)として一般的に使われる。
錠剤、粉薬、顆粒剤などの固形のお薬の成分をこの賦形剤にくっつけて使います。
パンでたとえると
有効成分が砂糖で、小麦粉が賦形剤です。
よく混ぜて作ったパンがお薬です。
使用方法
1日2回 朝、夕の食事に混ぜて使用しましょう。
付属のスプーンがついており、すりきり一杯で1gです。
体重5kgに1gが目安になっています。
体重(kg) | あたえる量 |
2.5以下 | スプーン1/2杯 |
2.5~5 | スプーン1杯 |
5~10 | スプーン2杯 |
10~15 | スプーン3杯 |
15kg以上は5kgごとにスプーン1杯追加します。
注意事項
食事中のリンと消化管内で結合するため、食中あるいは食後すぐに服用しないと十分効果が得られません。
活性型ビタミンD製剤と炭酸カルシウムの併用は、高カルシウム血症の可能性があり、十分注意する必要があります。
特に副作用は報告されておりませんが、本品が犬猫に合わない場合は、使用をただちに中止し獣医師にご相談ください。
直射日光を避け、乾燥した涼しい場所に保管してください。
イパキチン
内容量 | 180g |
1本 | 4,546円 |