イベルメクチンは、フィラリア予防薬の中で最も広く使われている有効成分の一つです。
主にフィラリア幼虫(ミクロフィラリア)を駆除する目的で使用されますが、他の寄生虫にも効果を発揮するため、さまざまな用途で利用されています。
この記事では、イベルメクチンの仕組みや安全性、注意点について詳しく解説します。
イベルメクチンの由来
イベルメクチンは、土壌中の微生物「放線菌」から発見されたアベルメクチンを元に開発された成分です。
1980年代に製薬会社メルク社によって実用化され、動物用および人間用の寄生虫駆除薬として広く使用されています。
イベルメクチンの仕組みと効果
フィラリア幼虫の駆除
イベルメクチンは、ミクロフィラリア(フィラリアの幼虫)の神経系に作用し、麻痺を引き起こして駆除します。
これにより、成虫に成長する前の段階でフィラリア感染を防ぐことができます。
他の寄生虫への効果
イベルメクチンは、以下の寄生虫にも効果があります:
- 回虫
- 鉤虫
- ダニ
そのため、総合的な寄生虫対策として使用されることもあります。
イベルメクチンの投与方法
経口投与が一般的
イベルメクチンを含む薬剤は、主に月1回の経口投与型が一般的です。
錠剤やチュアブル(嗜好性のあるおやつタイプ)として提供され、犬や猫が簡単に摂取できるよう工夫されています。
イベルメクチンの安全性と注意点
適切な投与量を守れば、イベルメクチンは非常に安全性が高い成分です。
ただし、特定の犬種では過敏反応を起こす可能性があります。
過敏反応を起こしやすい犬種
以下の犬種は、イベルメクチンへの感受性が高いため注意が必要です:
- コリー
- シェルティー
- ボーダーコリー
これらの犬種には遺伝子検査を行い、安全性を確認することをおすすめします。
子犬や高齢犬の使用
- 子犬:生後6週間未満の場合、使用を避けるべきです。
- 高齢犬:健康状態により、獣医師と相談が必要です。
副作用について
イベルメクチンは、一般的には副作用が少ないとされていますが、
稀に以下の症状が報告されています:
- 嘔吐
- 食欲不振
- 軽度の神経症状(ふらつき、元気がない)
異常が見られた場合は、すぐに獣医師にご相談ください。
イベルメクチンのメリットとデメリット
メリットとデメリットが存在します。
メリット
- フィラリア予防に非常に高い効果を発揮する
- 他の寄生虫にも幅広く効果を持つ
- 経口投与が簡単でペットが受け入れやすい
デメリット
- 特定の犬種で過敏反応が起こる可能性
- 生後6週間未満の子犬には使用できない
環境への影響
イベルメクチンは、ペットの体内で代謝された後、
便や尿を通じて排泄されます。
一部の成分が環境中に残留する可能性があるため、
適切に処理することが望まれます。
注意書き
「本記事は情報提供を目的としています。
イベルメクチンの使用にあたっては、必ず獣医師にご相談ください。
ペットの健康状態や体質によっては使用を控えるべき場合があります。」
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