フォルテコールプラスは、犬用の心不全治療薬です。
有効成分ピモベンダンにより心臓を強化し、もう一つの成分ベナゼプリル塩酸塩によって血管を拡張し血圧を下げることで心臓や腎臓へのダメージを軽減することが期待できます。
心臓の血液を送り出す機能が低下してくると、血液や水分の循環が悪くなります。
その結果、浮腫(むくみ)を生じたり、息苦しさや疲れを感じるようになります。
この状態は体に余分な水分がたまっているためです。
そのため肺に水分がたまったりすると、咳がでたり、ゼーゼーとぜん息のような呼吸になることもあります。
このような状態が「心不全」と呼ばれる状態です。
適用
- 急性心不全
(利尿剤などを使用しても効果が不十分な場合) - 慢性心不全
(犬の僧帽弁閉鎖不全による症状の改善)
ただし、軽症から中等症 - 拡張型心筋症
有効成分のピモベンダン
ピモベンダンは強心薬の中では心臓への負担が少ない部類で2つの作用を持っています。
1.Caイオンの感受性
心臓の筋肉である「心筋」は心臓を動かすための筋肉です。
心臓は絶えず動いていますが、このときカルシウムイオンが使われています。
この有効成分であるピモベンダンは、心筋へのカルシウムイオンの感受性を増強する作用があります。
感受性が上がることで心臓の収縮力を強くする作用があります。
2.血管拡張作用
血管の内側にある細胞内のフォスフォジエステラーゼⅢという酵素を抑制することができます。
これによって血管収縮するのを抑制することができます。
この結果、血管を広げて血流をよくします。
そのため、心臓への負担が軽くなり、体のだるさや息切れ、息苦しさなどの症状を改善します。
ピモベンダンは通常、これらの治療に用いられます。
- 急性心不全
- 慢性心不全(軽症~中等症)
有効成分のベナゼプリル塩酸塩
主に高血圧症の治療に使用される成分で、は血圧をあげるための体内物質「アンジオテンシンⅡ」の生成を抑える効果があります。
これによって血管を広げたり、体内の水分や電解質を調節することで血圧が下がります。
そのため心不全や腎硬化症、糖尿病性腎症などにも有効です。
血圧が上がると心臓や肝臓にもダメージを与えるので、この成分によって保護する作用が期待できます。
また特徴として、1日1回の服用で24時間効果が持続します。
他の効果としてインスリンの効きを増強させる効果があることがわかっています。
インスリンは血糖値を下げるのに必要なホルモンです。
その効果が増強されれば糖尿病の改善に役立ちます。
また、利尿効果が期待できる。
特徴的な副作用としては、「空咳」があります。
使用方法
体重 1kgあたり | |
ピモベンダン | ベナゼプリル塩酸塩 |
0.125mg | 0.255mg |
上記を一回量の目安として投与します。
1日2回 朝夕おおよそ12時間間隔で経口投与してください。
体重 | 投与量(1回) |
2.5~5kg | 0.5錠 |
5~10Kg | 1錠 |
注意事項
- このお薬は犬用です。他の動物に使用しないでください。
- 体重2.55kg未満の犬への使用
この場合に塩酸ベナゼプリルの安全性は確立されていません。
- 妊娠犬及び授乳犬に使わないでください。
安全性は確立されていないので、妊娠中及び授乳中の犬には投与しないでください。
- 授乳中の場合
やむを得ず、搾乳中の犬に投与する場合には、授乳を中止してください。
- 肝臓が悪い場合
重度な肝障害を有する犬には慎重に投与してください。
副作用
副作用が認められた場合には、速やかに獣医師の診察をお受けください。
ときに嘔吐、軟便、下痢がみられることがあります。
薬の作用により血圧が下がります。
そのため虚脱あるいはふらつきが現れることがあるので、特に初回投与後は注意深く観察してください。
フォルテコールプラス 1.25mg+2.5mg
1錠に入っている成分量
- ピモベンダン 1.25mg
- 塩酸ベナゼプリル 2.5mg
用法用量
体 重 | 1回の量 |
2.5~5kg未満 | 0.5錠 |
5~10kg未満 | 1錠 |
内容量 | 1箱 30錠 |
1箱 | 3,826円 |
2箱 | 6,883円 |
3箱 | 9,916円 |
フォルテコールプラス 5mg+10mg
1錠に入っている成分量
- ピモベンダン 5mg
- 塩酸ベナゼプリル 10mg
用法用量
体 重 | 1回の量 |
10~20kg未満 | 0.5錠 |
20~40kg未満 | 1錠 |
40kg以上 | 2錠 |
内容量 | 1箱 30錠 |
1箱 | 8,244円 |
2箱 | 15,671円 |
3箱 | 23,073円 |