ベトメディンは犬用の心不全治療薬です。
有効成分のピモベンダンは、心筋の収縮に必要なカルシウムイオンを効率よく、利用させて心臓の収縮力を高める強心効果があります。
これにより、息切れや息苦しさなどの症状の改善につながります。
また、血管拡張作用があり、心臓への負担を軽減することができます。
犬用慢性心不全用ピモベンダン製剤、ピモベハート錠と同成分のお薬です。
効果
犬の僧帽弁閉鎖不全症、拡張型心筋症などによる
慢性心不全の症状の改善
僧帽弁閉鎖不全症とは
「心臓弁膜症」と呼ばれる病気のひとつで、心臓には四つの弁がありますがその一つ、左心房から左心室への入り口にある僧帽弁がきちんと閉じなくなり、左心室から全身に送り出されるはずの血液の一部が、左心房に逆流してしまう状態です。
このような状態が僧帽弁閉鎖不全症です。
全身に血液を送り出すための圧力が下がるため、心臓は拍動を増やします。
左心室と左心房の壁の筋肉が伸びて心臓が徐々に拡大していきます。
心不全の症状が現れます。
拡張型心筋症とは
心臓の左心室全体の筋肉が薄くなってしまい、収縮する力が著しく低下してしまいます。
そのため、心臓が風船のように膨らんで、全身に血液を送り出すポンプとしての機能が低下します。
症状や原因はさまざまです。
多くの場合、心不全の状態が続き、徐々に症状は進行していきます。
心不全の症状
初期段階ではあまり症状がないので見つかりにくい。
しかし、左心室の機能が徐々に低下するため症状が見られるようになります。
- 息切れ
- 咳
- 元気がなくなる
- 食欲手か
- 尿量の減少
- むくみ
ひどくなってくると、呼吸困難、動悸、めまいや失神などが見られるようになります。
僧帽弁閉鎖不全症は症状が現れる前から、聴診器で心音を聞くと雑音が聞こえるいう特徴があります。
有効成分
ピモベンダン
ピモベンダンの特徴は2つの作用を持つお薬であること。
また、は強心薬の中では心臓への負担が少ない部類です。
1.カルシウムイオンの感受性を高める
心臓の筋肉である「心筋」は心臓を動かすための筋肉です。
心臓は絶えず動いていますが、このときカルシウムイオンが使われています。
この有効成分であるピモベンダンは、心筋の細胞が収縮に必要なのカルシウムイオンの感受性を増強することによって、心臓の収縮力を強くする作用があります。
2.強心作用
血管の内側にある細胞内のフォスフォジエステラーゼⅢという酵素を抑制することができます。
これによって血管収縮するのを抑制することができます。
この結果、血管を広げて血流をよくします。
そのため、心臓への負担が軽くなり、体のだるさや息切れ、息苦しさなどの症状を改善します。
ピモベンダンは通常、これらの治療に用いられます。
- 急性心不全
- 慢性心不全(軽症~中等症)
使用方法
1日2回
朝夕おおよそ12時間間隔で経口投与してください。
体重 1kgあたり | |
ピモベンダン | 0.125mg |
少なくともエサを与える1時間前に投与してください。
注意事項
投与しないでください
- 犬専用
このお薬は犬用ですので、他の動物に使用しないでください。 - 体重2kg未満の犬への使用
- 妊娠犬及び授乳犬に使わないでください。
安全性は確立されていないので、妊娠中及び授乳中の犬には投与しないでください。 - やむを得ず、搾乳中の犬に投与する場合には、授乳を中止してください。
肝臓が悪い場合
重度な肝障害を有する犬には慎重に投与してください。
本剤の単独投与
重度の慢性心不全に対する本剤の単独投与による有効性は確立されていません。
品質保持
本剤の保管は直射日光、高温及び多湿を避けてください。
誤用を避け、品質を保持するため、本剤は他の容器に入れ替えないでください。
副作用
副作用が認められた場合には、速やかに獣医師の診察をお受けください。
下記のような症状が報告されています。
- 食欲減退
- 無気力
- 下痢
- 呼吸困難
- 高窒素血症
- 虚弱
- 運動失調
まれに軽度の頻脈及び嘔吐がみられることがあります。
これらの作用は用量依存性であるため、投与量を減じることで避けられることがあります。
ベトメディン・フレーバー錠
成分量が3種類あります。
- 1.25mg
- 5mg
- 10mg
1.25mg
ピモベンダン | 1.25mg |
内容量 | 50錠 |
5mg
ピモベンダン | 5mg |
内容量 | 50錠 |
10mg
ピモベンダン | 10mg |
内容量 | 50錠 |
ハードカプセル5mg
ピモベンダン | 5mg |
内容量 | 100錠 |