虫下しに使われている成分はどのメーカーも大体同じになってきます。
錠剤の大きさや液状だったりの違いがあります。
3つの有効成分
主に消化管内に寄生する寄生虫に対する有効成分は大きく3つです。
これらが配合されていれば退治できます。
プラジカンテル (Praziquante)
プラジカンテルはドイツの製薬メーカーバイエルの寄生虫学グループにより、1970年代中頃に開発されました。
世界保健機関はプラジカンテルを、医薬品の入手が困難な開発途上国で最小限必要な医薬品としてWHO必須医薬品モデル・リストの1つに採用しています。
プラジクアンテルは、寄生虫の外被(被膜)を破壊し、内容物の体外への放出、無機イオンの能動的な移動を阻害しカルシウムイオンやナトリウムイオンの過度の蓄積による痙攣や収縮の発生等、さまざまな2次的な生化学的反応により寄生虫を死滅させます。
条虫・吸虫にも効く
子犬において下痢や嘔吐、血便、貧血、栄養不良といった症状を引き起こす回虫、鉤虫、鞭虫においても駆除作用を持っているのが特長です。
条虫・吸虫は神経系の発達が悪く、抑制性神経伝達物質(GABA)は存在しないため、イベルメクチン等は効果を示しません。
しかし、プラジカンテルは、イヌやネコなどの動物の胃腸に寄生する条虫類(サナダムシなど)に効果のある成分です。
条虫類の腸管に付着する能力を阻害することによって、条虫を体外に排出させる作用があります。
W効果
服用後、胃腸に寄生している条虫に作用してから、一旦腸管に吸収されます。
吸収されたプラジクアンテルの一部は肝臓でその構造を変化(代謝)させられ、その後腸管から再分泌されます。
再分泌されるプラジクアンテルの代謝物にも寄生虫の殺虫作用があるため、この吸収前と吸収後のダブル駆虫効果によって条虫が効果的に駆除されることになります。
副作用
よだれ、嘔吐、食欲減退、下痢、不活発
パモ酸ピランテル
寄生虫の神経筋接合部へ作用してマヒや拘縮(こうしゅく)を引き起こす成分で、イヌやネコなどの動物の胃腸に寄生している鉤虫類や回虫類の駆除に使用されています。
しかし腸管から生体内に吸収されにくいため、薬成分が血液に溶解しにくく、血液中に存在する寄生虫の幼虫に対する効果が弱いのが欠点で、完全な駆除には反復服用と再感染を防ぐ措置が必要とされています。
※こうしゅく とは筋が弛緩しなくなること。グッと力を入れたままになってしまう感じです。
フェバンテル
フェバンテルは鞭虫類に効果のある成分です。
フェバンテルはプロドラッグと呼ばれる薬で、肝臓で構造変化(代謝)を受けてフェンベンダゾール、オクスフェンダゾールなどに変化してから駆虫作用を発揮します。
寄生虫におけるエネルギー生成の阻害、フマル酸還元酵素の阻害、グルコース移動の阻害、細管形成の阻害が認められている。
ようするに、結果的に異常運動ののちに餓死にいたる。
近年になりフェバンテルはパモ酸ピランテルとの配合によって相乗的な駆虫効果を発揮することが解明されました。
他の組み合わせにおいてもその効果は減弱せず相加的に発現することを確認しました。
現在では、イヌやネコなどの動物に寄生するさまざまな寄生虫を迅速に駆除することを目的に、ほかの駆虫薬との合剤として使用されています。
幅広い寄生虫薬
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ドロンタールプラス
ドロンタールプラスは犬の様々な種類の寄生虫を駆除することができる駆虫薬です。 犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫、瓜実条虫などに効果があります。 ドロンタールプラス錠は1987年にオランダおよびニュージーランドで ...
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パナクール【フェンベンダゾール】
パナクールは消化管や呼吸器系の寄生虫駆虫薬です。 有効成分はフェンベンダゾールです。 回虫、鉤虫といった色々なおなかの寄生虫に効果を発揮します。 有効成分フェンベンダゾール ...
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上記のような成分によりさまざまな種類の寄生虫に効果があるお薬です。
うんちから寄生虫を発見したがそれがナニ虫なのかわからないと思います。
じっくり見るとも思えませんし・・・
そんな時に使えるお薬です。
猫用
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ドロンタール 猫用
猫の寄生虫を駆除するお薬です。 猫回虫、猫鉤虫、瓜実条虫、猫条虫に有効です。 生後4週間以上および体重500g以上の愛猫が対象 1ヶ月から3ヶ月毎に1回投与することで寄生虫を駆除できます。 また、産卵 ...
回虫のお薬
犬や猫がそそられる美味しそうな肉風味のシロップで、投薬がしやすいです。
少量で使いたい場合やまだ固形物が食べられないなど、子犬や子猫に使うのに適しています。
安全性も高いのでお勧めです。
有効成分 クエン酸ピペラジン
回虫の駆虫薬として用いられる。ただし条虫には無効です。
ピペラジンは、米国では1950年代から駆虫薬としてヒト及び動物に用いられている。
殺虫成分ではなく、寄生虫をしびれさせて体外に排出するという効果になります。
弱い分だけ副作用などの危険性が低いのが良いところですね。