オトマックス軟膏は犬の耳の中に塗る薬です。
頭を頻繁に振る、四肢で耳をかく、床に耳をこすりつけるといったしぐさが気になった場合、細菌や真菌などの微生物の異常繁殖による発症の可能性が高いと言われています。
マラセチア中耳炎、外耳炎などにおすすめです。
有効成分
3つの有効成分が入っておりかゆみを抑えながら、症状を改善させる作用があります。
- 抗生物質
- 抗真菌剤
- 消炎作用のあるステロイド剤
硫酸ゲンタマイシン(Gentamicin Sulfate)
皮膚感染症の原因菌を殺菌・除去する作用によって赤みや腫れを改善します。
主成分は、アミノグリコシド系の抗生物質です。
細菌のタンパク合成を阻害することで、殺菌的に作用します。
こんな菌に効果
- 黄色ブドウ球菌などグラム陽性菌
- 緑膿菌などのグラム陰性菌
これらに強い抗菌力を示します。
注意
この成分の副作用については塗り薬ですので、副作用はほとんどありません。
ただし、成分に対して過敏症(発疹、発赤、かゆみ)の場合には、かえって赤みがひどくなったり、かゆみが見られたら、早めに動物病院を受診してください。
吉草酸ベタメタゾン(Betamethasone Valerate)
ステロイドの外用薬です。
ステロイドには炎症をしずめる強い作用があります。
短期間で皮膚炎をおさえることが可能で、腫れや赤みをすみやかにとり、かゆみや痛みをやわらげます。
注意
外用薬ですので、1~2週間使う程度でしたら ほとんど副作用はありません。
まれに接触皮膚炎(かぶれ)を起こすことがありますので、しばらく続けても少しもよくならないときや、かえって悪化するときは早めに受診してください。
クロトリマゾール(Clotrimazole)
真菌を殺菌する塗り薬です。
真菌はわかりやすく言うとカビなどで、感染すると白癬(水虫)やカンジダ症を発症します。
真菌の発育を抑制または阻止することにより、殺菌的に抗真菌作用を発揮します。
この成分は殺菌的に作用するので、きちんと治療を続ければすれば完全に治せます。
注意
塗り薬ですので、副作用は少ないです。
ただれのひどい患部や、傷のある部分は慎重に用いるようにします。とくに液剤は刺激痛を生じやすいので注意が必要です。
使い方
投与の前には耳垢などの汚れを取り除き、乾いた状態にしてください。
患部に生えている余分な毛は抜いてください。
オトマックス軟膏自体は透明に近いゲル状のお薬ですが、気温が高いと液状に近くなります。
そのため指から流れ落ちることもあるので気をつけましょう。
症状のみられる耳に軽くマッサージするように塗布してください。
軟膏やクリームは、よく擦り込むようにすることで、皮膚の角質層に十分浸透させるようにします。