犬、ネコのアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患や自己免疫症疾患の免疫抑制剤です。
アレルゲンに対して過剰に反応してしまう免疫系皮膚細胞の働きを抑制し、皮膚の赤みやかゆみなどのアトピー性皮膚炎の症状を緩和します。
ノバルティス社製で人間用に開発されたお薬で「ネオーラル」という名前です。
犬用ではアトピカという名前になっていますが、これらは犬用・人用の違いはありますが同一成分の製品です。
有効成分 シクロスポリン
体の免疫をおさえるお薬です。
本来、「免疫」は、細菌やウイルス、異物などから体を守るための自然な防衛システムです。
しかし、異常が起こると自分自身の組織を攻撃してしまいます。
自己免疫病や膠原病も、免疫の異常により起こります。
アトピーは免疫機能が過敏になりすぎている状態です。
成分について
主成分シクロスポリンはアトピー性皮膚炎に対する効能が認められています。
世界で初めて臨床応用された免疫抑制剤で、人のアトピー治療薬として1987年から使用されており、日本では犬用のアトピー薬として2006年から使用開始されました。
従来のモノは、胆汁酸の分泌量で成分の吸収率にばらつきがありましたが、有効成分であるシクロスポリンは改良されて吸収率が良くなっています。
気を付けるポイント
飲み合わせ注意
他の薬と相互作用を起こしやすい性質があります。
飲み合わせによっては、この薬の作用が強まり、副作用がでやすくなります。
逆に効果が弱くなってしまうこともあります
基礎疾患
腎臓病や肝臓病などの病気がある場合には、その病状を悪化させるおそれがあります。
感染しやすくなる
体内に侵入する異物に対抗する免疫を抑制している状態なので、血液中の白血球が減少し、感染に対する抵抗力が低下するので、いろいろな感染症にかかりやすくなります。
病原菌に対する抵抗力が落ちるので、もともと感染症のある場合は慎重に用いるようにします。
アトピカの使用方法
1日1回使用します。
体重1kgに対してシクロスポリン5mgを基準量とし、下記の量を4週間連続経口投与する。
10mg | 25mg | 50mg | 100mg |
体重 | 用量 |
2kg以上
3kg未満 |
10mgカプセルを
1カプセル |
3kg以上
4kg未満 |
10mgカプセルを 2カプセル |
4kg以上
8kg未満 |
25mgカプセルを
1カプセル |
8kg以上
15kg未満 |
50mgカプセルを
1カプセル |
15kg以上
29kg未満 |
100mgカプセルを
1カプセル |
29kg以上
36kg未満 |
100mgカプセルと 50mgカプセルを各1カプセル |
36kg以上
55kg未満 |
100mgカプセルを
2カプセル |
注意事項
食餌から2時間以上あけて空腹時に投与し、投与後2時間は餌を与えないこと。
投与開始し4週間以降に症状の改善が見られない場合には、症状に応じて投与間隔を隔日または週2回に減らすことが出来る。
ただし、投与期間は8週間を超えないこと。
アトピカ 犬用
メーカー | ノバルティス社 |
内容量 | 15カプセル |
形状 | ソフトカプセル |
一錠のグラム数が大きくなるとカプセルも大きくなるため、ソフトカプセルをハサミで切ってスポイトであげている方もいるようです。
超小型犬用
カプセルあたり | 10mg |
体 重 | 2~4kg |
アトピカ10mg (超小型犬用/2~4kg) |
小型犬用
カプセルあたり | 25mg |
体 重 | 4~7.5kg |
アトピカ25mg (小型犬用/4~7.5kg) |
中型犬用
カプセルあたり | 50mg |
体 重 | 7.5~36kg |
アトピカ50mg (中型犬用/7.5~36kg) |
大型犬用
カプセルあたり | 100mg |
体 重 | 15~55kg |
アトピカ100mg (大型犬用/15~55kg) |
アトピカ 猫用内用液
猫用はカプセルではなく液体になっています。
使い方
体重1kgに対し有効成分7mg(1ml中100mg )
附属のシリンジで計量し体重に合わせた量を服用させてください。
※必ず掛かり付けの獣医師の指導の下ご使用下さい。
内容量別に2種類あります。
5ml | 17ml |
お知らせ
アトピカにはジェネリック医薬品が存在します。
ジェネリック医薬品は、同じ成分で製造され同じ効果が期待できる上、より安い価格にてご購入いただけます。