シクロミューン点眼薬は免疫抑制薬のシクロスポリン(サイクロスポリン)を有効成分とする乾性角結膜炎(涙液減少症/ドライアイ)の治療薬です。
免疫機能の異常により自らの涙腺を異物と思い攻撃・破壊してしまうことがあります。
このような場合、免疫抑制剤いわゆるステロイドによって免疫を抑制し、炎症を鎮めます。
これによって涙腺の機能を正常化し、ドライアイの症状の改善へとつなげます。
シクロスポリン
細菌などが体に侵入してきた場合、免疫機能を活性化させるために「リンホカイン」という物質が作られます。
シクロスポリンはこの物質が作られないようにする効果があります。
この作用により免疫反応を促進させるT細胞そのものや、抗体を生成するB細胞といった免疫細胞の作用を抑制し、炎症症状を減少させる効果を発揮します。
シクロスポリンの特徴
涙液分泌促進作用と抗炎症作用を併せ持つ免疫調整薬です。
脂溶性が高く、角膜に高濃度で吸収される上、涙腺にも浸透します。
自然な涙液の分泌と同様の機序による涙液の産生増加作用があります。
結膜の炎症を抑え、涙腺の機能を回復させることによって涙の分泌を促進することができます。
これらの症状(腫れ、赤み、かゆみ、痛み)をやわらげます。
- 眼瞼炎
- 結膜炎
- 角膜炎
- 手術後の炎症
ステロイドについて知っておこう
シクロスポリンはステロイドである。
さまざまな効果があるとても有用なお薬です。
- 炎症を強力に抑える
- 体の免疫力を抑制する作用
- ほぼ間違いなく効く
このように、ありがたい効果がありますが、これは逆の言い方もできます。
炎症とは体にある免疫が反応しているため起こる症状です。
炎症を鎮めて、免疫を抑制するということは、細菌やウイルスから体を守るためのシステムを止めることを意味しています。
そのため、細菌やウイルスなど感染症による眼病の場合、ステロイドの目薬を使用することでこれらは増殖する機会を与えてしまいます。
使うべき症状を間違えると症状を悪化させることになります。
また、ステロイドは傷を治りづらくする作用もあります。
そのため角膜に傷がある状態でステロイドが入ると傷の治りが遅くなるばかりか、悪化する可能性があります。
このような特徴があるステロイドですが、上手に使えばとても効果的です。
注意事項
使用禁忌
シクロスポリンは免疫抑制剤です。
免疫が抑制されるので菌やウイルスに対する抵抗力が下がります。
真菌やウイルスによる感染症が疑われる場合に使用すると悪化する可能性があります。
妊娠中、授乳中
妊娠している雌犬には使用しないでください。
妊娠中の動物における安全性の研究は実施されていません。
目薬の先端を触れさせない
目薬の先端がまぶたやまつ毛に触れると、薬液が汚染されたり、混濁することがあるので点眼の際には注意してください。
点眼の際、目からこぼれた目薬は放置せずにすぐ拭きとるようにしてください。
対処療法である
この目薬は原因を治癒させるタイプではなく、対処療法として使用するものです。
炎症などの症状は抑えますが、病気を治すものではありません。
副作用について
治療を始めてから最初の数日間に軽度の刺激が認められることがあります。
また、眼圧の上昇などが見られることがあります。
異常がつつくような場合はシクロミューンによる治療を中断してください。
創傷治癒の遅延が起こります。
ステロイドの副作用として起こります。
理解しておきましょう。
使い方
通常、1回1滴を両眼に2回点眼します。
点眼と点眼の間は12時間あけるようにしてください。
使用量はあくまでも目安です。
シクロミューン点眼液0.05%
有効成分 | シクロスポリン0.05% |
内容量 | 3ml |
1本 | 1,784円 |
2本 | 2,778円 (@1,389円) |
3本 | 3,771円 (@1,257円) |
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