ペットと一緒に暮らしていればある日突然、不慮のトラブルが起こることは十分に考えられます。
その際に一分一秒を争う事態も想定できます。
そのような場合、飼い主の対応ひとつで生命の危機を脱することができるかもしれません。
必要な知識として覚えておけば、最悪の事態に後悔せずに済むかもしれません。
感電した
犬が電気コードをかじったり、台風などで切れたりした送電線に触れるなどした場合感電します。
電気コードによる感電は子犬に多く見られる傾向があります。好奇心の強いさ故と思われます。
症状
感電するとショックを受けて、体が硬直したり心臓が停止することがあります。
伝染に触れた部分にやけどが見られます。
対処法
まずは電源を切りましょう。
コンセントを抜く、ブレーカを切るなどですが、できない場合は電気を通さない木やプラスチックの棒などで犬の体を電線から引き離しましょう。
呼吸が止まっていたら、犬の舌を手前に引き出し、胸を強く押して呼吸を促しましょう。
呼吸が戻ったとしても、すぐに病院に連れていきましょう。
感電の場合、数時間後にショック症状が現われることがあるので注意が必要です。
毒蛇に咬まれる
犬が野山や草むらなどで遊んでいて、ハブやマムシなどの毒蛇に噛まれることがあります。
飼い主が噛まれている現場を目撃することは少ないため、その後の変化で咬まれたことに気が付く場合が多いでしょう。
症状
毒蛇に咬まれると
- 興奮
- おう吐
- 大量のよだれ
- チアノーゼ
- けいれん
- 脈拍が早くなる
これ等の症状が現われます。
噛まれた部位は出血が見られれ、時にはへびの歯型が残っているかも知れません。
多くの場合患部は足か口まわりであることがほとんどです。
噛まれてから短時間のうちに咬まれた部分の皮膚か赤褐色から紫色になり出血や壊死、水ぶくれなどが見られます。
変色した皮膚を押すと牙跡から赤褐色の液体がにじみでる。
応急処置と治療
犬は痛みから走り回ることがあります。
そうなると毒のまわりが早くなるので、リードを短くしたり、ケージに入れたりして犬が動き回れないように処置します。
足を噛まれた場合は、そのすぐ上の胴体側を包帯などで軽く縛ることで毒が全身に回ってしまうのを防ぎましょう。
犬はマムシの毒には人間より抵抗力があるため、死亡することはあまりありません。
しかし、かなり危険な状態であることには違いなく、病院に連れていくべきです。
またその際は獣医にあらかじめ連絡して行きましょう。
治療としては傷口の消毒や抗生物質の投与が行われます。
人間のように血清は必要ないらしい。
ヒキガエルの毒
ヒキガエルは外敵が身を守るために、耳下腺といわれるところや皮膚から強力な毒を分泌しています。
そのため犬が見つけてちょっかいを出したり、舐めたりすることでその毒にやられることがあります。
症状
2種類の毒素があります。
ブフォトキシン
神経系の毒で皮膚に付いた場合は炎症が生じます。
舐めたり、かみついたりして口の粘膜から吸収されると神経系や循環器系に作用して幻覚・嘔吐・下痢・心臓発作などが引き起こされてしまいます。
犬がかじったりすると口の中が麻痺してしまうためよだれを垂らしたりや、嘔吐したりするわけです。
ブフォタリン
もう一つ主な成分としてはブフォタリンというものです。
これはステロイド系の毒素で過剰な強心作用があります。
過剰な作用によって心臓の異常を引き起こすため、犬は死亡することがあります。
対処法と治療
ヒキガエルから即座に犬を引き離しましょう。
噛んでしまっているような場合は大量の水で口の中を洗浄してください。
次に急いで病院に行きます。
ヒキガエルの毒は非常に強力なので対応が遅れると2~3時間で死亡します。
心臓まで毒がまわる前に処置を行う必要があります。
ヒキガエルは夜行性なので早朝や夜中の散歩には気を付けましょう。
ハチに刺される
春から夏にかけてのミツバチや熊蜂、スズメバチなどが活発に行動する時期に刺されてしまうことがあります。
症状
刺された部位に痛みやかゆみ、腫れが起こります。
まれに激しいアレルギー反応を起こす犬がいて呼吸困難、ショック、おう吐、下痢、昏睡などの症状が起こります。
応急処置と対処
刺された後に発熱もなく、普通に行動している場合はさほど心配はいりません。
刺されたところに蜂の針が残っていたら、すぐにそれを抜いて患部を洗い抗炎症薬を塗ります。
針が残っていたらすぐに行動
針を使って襲ってくる蜂は、ミツバチ、スズメバチ、アシナガバチの3種類程度です。
針が残るのはミツバチだけで、針と一緒に毒袋と内臓の一部がくっついているのですぐに発見できます。
毒袋は心臓のようにドクンドクンと動いていて毒を送り続けています。
発見した場合は、病院での処置を待たずにピンセットや毛抜きですぐに処理を始めましょう。
そのあと、患部を水で洗い、刺された皮膚を指でつまんで毒をだしましょう。
口で吸いだすとかしないように。
しかし、一度にたくさんの蜂に刺されたり、犬が激しいアレルギー反応を示す場合には急いで病院に連れていく必要があります。
凍傷
非常に寒い場所に長時間犬を放置した場合、皮膚の組織が凍結してしまい損傷したり破壊されたりします。
この場合皮膚だけでなく、皮下組織や血管などの組織もダメージを受けます。
症状
零度以下の環境になると体は体温を逃がさないように、血管の収縮を始める。
その場合、末端の組織で血行が低下しやすい体の突出部が凍傷になりやすい。
- 耳
- しっぽ
- 足先
- 陰嚢(たまたまです)
これらが凍傷になり赤く腫れたり青白くなったりします。
水疱やむくみ、充血などが起こります。
触ると冷たく犬はその部分の感覚がなくなります。
悪化するとその部分の組織は壊死します。
応急処置と治療
毛布などで犬を包んで体を温めます。
患部をもんだり、さすったりすると皮膚組織が損傷するのでやめましょう。
凍傷の部分はぬるま湯であたためて血行を回復させる必要があります。
皮膚組織が壊死しているなどの重度の凍傷の場合、その部分を切断しなければならないことがあります。
すぐに病院に連れていきましょう。
低体温症をおこしていることもあるので注意が必要です。