利尿薬

犬猫の利尿薬【トラセミド】血圧を下げて心臓や肝臓の負担を軽減

利尿薬としての有効成分トラセミドは、腎臓でナトリウムが吸収されるのを抑えることで、水分とナトリウムを尿として排出します。

この利尿作用を利用して、血圧を下げて、心臓や肝臓の負担を軽減します。

 

人間用に開発された利尿薬ですが、動物にも併用されています。

トルプレスはルプラック錠と同じ有効成分を含有する利尿薬です。

類似薬の有効成分フロセミドを含有したラシックス錠と比べて、およそ10倍効果が強いのが特徴です。

 

腎臓のお仕事


腎臓は体内から流れてきた血液から、老廃物や水分をろ過する働きがある重要な器官です。
体内では水分や必要な成分はリサイクルしながら回しています。

 

尿を作る

腎臓では血液から老廃物や水分をろ過して、不要な成分を尿として体の外に出しています。

 

水分を調整している

腎臓では体の水分を調整しています。
水分が多い時には尿としてたくさん排出し、身体の水分が少ない時には少量の濃度の濃い尿を排出しています。

そのため、異常が起こると体がむくんだりする。

 

血圧を調整している

ろ過機能を有している腎臓では安定した一定の血流が必要になります。

腎臓は血圧を上昇させる酵素を分泌して、酵素の量の調整によって血圧をコントロールしています。

 

ホルモンを作る

赤血球を作るためのホルモンやカルシウムの吸収を促進するホルモンを分泌してくれます。

そのため腎臓が悪くなると、貧血になったり、骨がもろくなったりといった異変が起こるようになります。

 

 

有効成分トラセミド

腎臓が持つろ過機能のひとつに、再利用という能力があります。
水やミネラルを尿として排出する前に、水や一部のミネラルを血液に戻すというものです。

トラセミドはこの働きを抑えるので、その分尿の量が増えることになります。

 

強力に体内の水分と電解質を排出することができます。

その結果、からだの余分な水が少なくなるため

血管を流れる血液の量が減り、むくみが解消されます。

 

同時に血液の水分量が減ることで血管にかかる圧力も下がります。

そのため、血圧を下げる効果を持つ成分としても知られています。

 

フロセミドとの違い

ラシックス錠などの有効成分フロセミドとは、同じループ利尿薬でも若干違いが存在します。

 

カリウムの排出が少ない

トラセミドの特徴として

フロセミドなどよりもカリウムの排出が抑えられます。

カリウムを保持しながら利尿薬としての機能が存在します。

 

低カリウム血症

利尿薬を使うとミネラルも一緒に尿として排出され、低カリウム血症という症状が問題となります。

これは血液中のカリウムが極端に少なくなってしまう症状です。

カリウムは体の中で心臓や筋肉を動かすのに使ったり、細胞内の成分の濃度を調整する役割があります。

低カリウム血症になると筋力の低下やおう吐、便秘、けいれんなど、ひどくなるとマヒや不整脈などにいたります。

 

吸収率がいい

フロセミドはお薬を飲ませて体内に吸収される率は約50%ですが、トラセミドは経口吸収率がほぼ100%です。

しっかりと投与した分の効果を発揮します。

フロセミドの10倍、利尿効果があるとされています。

 

早く効きはじめて、長く効く

トラセミド フロセミド
ピーク
(投与後)
2~4時間 2~3時間
持続時間 12時間 6時間

フロセミドよりも薬効が早くて、長く効果を発揮します。

トラセミドは長時間作用型のお薬です。

長時間作用型の方が予後が良いとされています。

 

使用方法

  • 慢性心不全(犬と猫)
  • むくみ

※本来はヒト用の医薬品ですが、動物用の医薬品としても使用可能です。

 

投与量

1日 2回

体重1㎏あたり
0.1~0.2mgを経口投与します。

 

錠剤を分割して使用する場合には
ピルカッターがおすすめです。

 

効果と持続

投与してから1時間でおしっこの量が増加します。

また、2-4時間でピークに達し、12時間持続します。

お出かけの際には、注意するようにしましょう。

 

注意事項

お薬は定められた目的にのみ使いましょう。

用法用量をきちんと守って使用するようにしましょう。

薬剤は獣医師の指導の下でお使いください。

 

ペットへの注意事項

  • 肝機能障害
  • 高尿酸血症
  • 糖尿病

これらの持病がある場合には、慎重に投与してください。

 

副作用

トラセミドによる副作用は確認されていませんが、水分が出過ぎると脱水や血圧の低下でめまいや脱力などが起こります。

 

トルプレス

トルプレスは用量に応じて3種類

  1. 10mg
  2. 20mg
  3. 40mg

成分量が多いのでピルカッターが必要となるけど

大型犬や多頭飼いに最適。

 

トルプレス 10㎎

成分 トラセミド
(Torsemide) 10mg
内容量

100錠

 

 

トルプレス 20mg

成分 トラセミド
(Torsemide) 20mg
内容量

100錠

 

トルプレス 40mg

成分 トラセミド
(Torsemide) 40mg
内容量

100錠

 

ストリルネオ

成分 トラセミド
5mg
内容量

30錠

体重1kg=0.1~0.2mgが必要な量です。

5mgの錠剤1粒で、体重50~25kgに相当します。

ペットの体重に応じてピルカッターなどで調整する必要があります。

1箱あたり30錠

 

トーズヒール

成分 トラセミド
5mg
内容量 200錠

内容量が多くてコストパフォーマンスに優れています。

継続して使用する必要がある場合や多頭飼いに。

 

-利尿薬