狂犬病

狂犬

狂犬病ウィルスに感染した犬に咬まれることで感染します。
文字どおり発症すると見境なく噛みつく狂犬へと変貌します。

人間をはじめとする哺乳類すべてに感染の可能性がある非常に危険な病気です。
発病すると有効な治療法は確立されておらず、致死率はおどろきの100%

ほどんどの場合、非常に狂暴になり数日で死に至ります。

 

症状

狂犬病を発症している動物に噛まれてから、狂犬病ウィルスは、最初に中枢神経に感染し、通常2~6週間の潜伏期間を経て発症します。

中枢神経は大脳、小脳とそこからのびる脊髄神経の総称です。
大脳は感情や知能、感覚、運動を、小脳は全身の動きをつかさどります。
これらを全身に伝える神経です。

潜伏期間の違いは咬まれた部位やその動物の唾液に含まれるウイルスの量、あるいはそのウイルスの病原性などの違いによります。

その後の経過は2種類に分かれます。

 

狂躁型

狂犬病の典型的症状で感染犬の80%に見られます。

発症後の数日は不安、食欲不振、暗所に隠れるなどの行動の変化が見られます。
その後、狂乱状態になります。

狂犬病の犬はひと目でわかるように非常に興奮して異常にほえ、排泄し口は半開きでよだれを垂らし、顔つきがキツネのように鋭くなります。
犬の性格は破壊され、飼い主であろうと平気でとびかかって見境なく噛みつこうとします。

狂暴な時期が3~4日続くと、マヒ期に入ります。
犬は口を大きく開け、大量のよだれを流すようになります。
このときには、噛むこともなく立っていてもよろめき、全身にマヒ状態が現われてきます。
マヒは進行していき、全身の筋肉がマヒして起き上がれなくなり死にいたります。

狂躁型では、異常が見られてから死亡までは通常5~7日程度です。

 

まひ型

マヒ型は稀です。
初期からマヒがあらわれ、急激に進行します。
食べ物や水を飲み込むことができなくなります。

早い場合には1日、通常2~4日で死亡します。

 

人間が発症した場合の症状

感染初期のころは風邪のような症状があらわれます。

  • 発熱
  • 頭痛
  • 筋肉痛
  • 全身のだるさ

噛まれた部位に痛みやしびれを感じるようになります。
そのうち知覚異常がともないます。

  • 強い不安感
  • 興奮
  • 錯乱
  • 奇妙な行動
  • 幻覚
  • 不眠症
  • 攻撃的

感染が脳を広がっていくにつれて、錯乱と興奮が強くなります。

 

狂犬病の特徴的な症状

狂犬病は発声や呼吸、物を飲み込む機能がある神経を侵してしまうため、のどや喉頭の筋肉がけいれんします。
このとき激しい痛みがともないます。

それにより、そよ風が拭いたり、水を飲もうとするとけいれんが誘発されます。

恐水症:水を見ると首(頚部)の筋肉がけいれんする
恐風症:冷たい風を受けることにより頸部の筋肉がけいれんする

このように水を見るだけで反射的に嫌がり、水を飲めなくなります。
また、よだれが大量に出るようになります。

 

最終的には死亡

最終的には昏睡状態に陥ります。
その際、気道閉塞、けいれん、全身のマヒなどが原因となり呼吸停止により死亡します。

狂犬病は発症した場合、ほぼ100%死亡します。

 

 

原因

非常に感染力が強力で哺乳類すべてに感染可能な狂犬病ウイルスが原因です。

ウイルスは発症している動物の唾液の中に含まれており、この動物にかみつかれたりすると、傷口に唾液が触れ体内に侵入し感染します。

 

伝播性について

伝播とは伝わり広がっていくことです。
狂犬病の広がり方ですが、哺乳類ならなんでも感染し犬以外にも、

  • キツネ
  • スカンク
  • アライグマ
  • マングースオオカミ
  • イタチ
  • ノネズミ

このような野生動物はいずれも狂犬病に対して感受性が高い動物です。
感受性が高いということは、ウイルスに対してばっちり反応してしまうということです。
思いっきり狂暴化しやすい動物です。

特に肉食性の動物はこのウイルスを広げる原因動物となります。
また、吸血コウモリも主要な伝播動物の一つです。
飛んでくるのでかなり厄介ですね。

人間や牛、馬、ヒツジ、ヤギ、豚などはウイルスに対して高い感受性がありますが、病気を広げる動物ではありません。

 

 

治療

狂犬病は有効な治療法がありません。
狂暴で危険性が高いため、確定診断は行いません。

そのため、捕獲後は隔離し、興奮状態と狂暴性およびマヒについて3週間以上観察します。
病状が進行しなければ狂犬病ではないということになります。
この場合、生きていればということになりますね。

症状から狂犬病と判断された場合、残念ながら安楽死させることが原則となっています。

 

予防

狂犬病はワクチンの接種が狂犬病予防法によって義務付けられています。
生後3カ月以上の犬は必ず行政機関に登録し、年1回狂犬病ワクチンの接種を行う必要があります。
それほど、危険なウイルスだからです。

日本では40年近く発生していませんが、海外では未だに絶滅していません。
1年に1回必ず予防接種を受けさせましょう。

 

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