細菌性感染症

バベシア症

マダニを介して感染するバベシアという原虫が原因です。かなり小さいので顕微鏡を使わないとみえません。
原虫とは単細胞の真核生物で、すくなくとも一個の核と多数の細胞内構造物をもち、単細胞のまま生活に必要な分裂、増殖、運動、代謝を行います。

バベシアは体内で赤血球を壊すため、重度の貧血に陥ります。そしてどの犬種もかかる可能性があります。

 

症状

感染してから数週間後に症状があらわれることが多いようです。

 

・元気食欲の消失

・発熱

・貧血(歯ぐきや舌の色が白い)

・おしっこの色の変化(濃い色になる)

・下痢・嘔吐

悪化すると体力が低下して他の病気を招くこともあります。
そして、ついには起きあがることも出来なくなって放置すると死亡します。

感染初期には異常を見逃しがちですので、バベシア症が発生している地域では、上のような異常を感じたときには早めに動物病院で診察を受けるようにしましょう。

 

原因

バベシアに感染している犬の血液をマダニが吸うと、マダニの体内にバベシアが入ります。
このマダニが別の犬の血液を吸うと、マダニの体内から犬の体にバベシアが移り感染してしまいます。

 

治療

特効薬はいまのところ見つかっていません。
しかし、一定の効果があり、即効性のある抗原虫薬ジミナゼンを使用することもあります。

発病してしまった場合は、まずは貧血治療を行います。

次に投薬治療として、抗原虫剤とステロイド剤を使用します。
バベシアの増殖をストップさせ、症状の緩和を狙います。
体力を回復させ、免疫で感染をコントロールできるようにしていきます。

完全な、原虫駆除は出来ません。
元気にはなりますが、犬の体内には、バベシアの原虫が潜んでいます。

 

予防

ダニを寄せ付けないようにフロントラインプラスなどのスポット薬を使います。

バベシア原虫がダニから犬に移るのに36~48時間必要と言われていますので、吸血前にダニを取り除けば感染の可能性を非常に低く出来ます。

体についたマダニはつぶさないようにピンセットなどでとります。
力づくでとるとマダニの口の部分が皮膚に食い込んだままになり炎症の原因となります。

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