内部寄生虫駆除

ドロンタールプラス

ドロンタールプラスは犬の様々な種類の寄生虫を駆除することができる駆虫薬です。
犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫、瓜実条虫などに効果があります。

ドロンタールプラス錠は1987年にオランダおよびニュージーランドで承認されて発売されました。

現在ではヨーロッパ諸国、アメリカなど世界各国で販売されています。

古くから各国で使用されてきた歴史があります。

 

ドロンタールプラスの特徴

一回の投与で効果的

1回の投与で線虫類および条虫類を効果的に駆除できる幅広い効能を発揮し、産卵前の未成熟な寄生虫に対しても高い駆除効果があります。

 

幼犬から使える

幼い子犬ほど寄生虫による影響は大きく、下痢になったり、栄養を寄生虫に取られて成長不良となってしまったりします。

生後2週間以上および体重500g以上の愛犬へ使用することが可能です。

1ヶ月から3ヶ月毎に1回投与することにより、愛犬へ寄生している寄生虫(線虫類および条虫類)を駆除できます。

 

効能外使用になってしまうが

ジアルジアにも効果あり、よく使用されている処方です。

フェバンテルが含有されているので、3日間に連日投与する方法です。

有効率は75%というデータがあります。
(投与した際に75%に効果があるということ。)

 

 

3つの有効成分

ドロンタールプラスは3つの有効成分によって構成されています。

それぞれに違った効果が存在します。

 

プラジカンテル (Praziquante)

プラジカンテルはドイツの製薬メーカーバイエルの寄生虫学グループにより、1970年代中頃に開発されました。

世界保健機関はプラジカンテルを、医薬品の入手が困難な開発途上国で最小限必要な医薬品としてWHO必須医薬品モデル・リストの1つに採用しています。

人間用の医療薬で、最低限これは必要というモデルリストに選ばれるような成分です。

効果

プラジクアンテルは、寄生虫の外被(被膜)を破壊し、内容物を体外への放出させてしまいます。

また、体内のイオン働きを阻害することで、寄生虫はしカルシウムイオンやナトリウムイオンが過剰に蓄積されて、痙攣や収縮の発生等などによって死滅してしまいます。

 

 

条虫・吸虫にも効く

子犬において下痢や嘔吐、血便、貧血、栄養不良といった症状を引き起こす回虫、鉤虫、鞭虫においても駆除作用を持っているのが特長です。

条虫・吸虫は神経系の発達が悪く、抑制性神経伝達物質(GABA)は存在しないため、イベルメクチン等は効果を示しません。

しかし、プラジカンテルは、イヌやネコなどの動物の胃腸に寄生する条虫類(サナダムシなど)に効果のある成分です。

条虫類の腸管に付着する能力を阻害することによって、条虫を体外に排出させる作用があります。

 

W効果

服用後、胃腸に寄生している条虫に作用してから、一旦腸管に吸収されます。

吸収されたプラジクアンテルの一部は肝臓でその構造を変化(代謝)させられ、その後腸管から再分泌されます。

再分泌されるプラジクアンテルの代謝物にも寄生虫の殺虫作用があるため、この吸収前と吸収後のダブル駆虫効果によって条虫が効果的に駆除されることになります。

1度で2度利く!というやつです。

 

副作用

よだれ、嘔吐、食欲減退、下痢、不活発

 

 

パモ酸ピランテル

寄生虫の神経筋接合部へ作用してマヒや拘縮(こうしゅく)を引き起こす成分で、イヌやネコなどの動物の胃腸に寄生している鉤虫類や回虫類の駆除に使用されています。

※こうしゅく
筋が弛緩しなくなること。グッと力を入れたままになってしまう感じです。

 

欠点がある

腸管から生体内に吸収されにくいため、薬成分が血液に溶けだしにくい特徴があります。

そのため、血液中に存在する寄生虫の幼虫に対する効果が弱いのが欠点で、完全な駆除には反復服用と再感染を防ぐ措置が必要とされています。

 

 

フェバンテル

フェバンテルは鞭虫類に効果のある成分です。

フェバンテルはプロドラッグと呼ばれる薬で、肝臓で構造変化(代謝)を受けてフェンベンダゾール、オクスフェンダゾールなどに変化してから駆虫作用を発揮します。

 

効果

寄生虫におけるエネルギー生成の阻害

フマル酸還元酵素の阻害

グルコース移動の阻害

細管形成の阻害

これらの効果が認められている。
分かりやすく、結果を言えば異常運動ののちに餓死にいたる。ということですね。

 

追加情報

近年になりフェバンテルはパモ酸ピランテルとの配合によって相乗的な駆虫効果を発揮することが解明されました。
他の組み合わせにおいてもその効果は減弱せず相加的に発現することを確認しました。

現在では、イヌやネコなどの動物に寄生するさまざまな寄生虫を迅速に駆除することを目的に、ほかの駆虫薬との合剤として使用されています。

 

 

使い方

体重によって使用量が異なります。

通常1回、体重にあった容量を経口投与しましょう。

体重(kg) 用量
0.5~2.5 0.25錠
2.6~5.0 0.5錠
5.1~10 1錠
10.1~20 2錠
20.1~30 3錠
30.1~40 4錠

ノミの駆除と同時に1ヶ月毎~3ヶ月毎に使用がおすすめです。

 

錠剤の調整にはピルカッターが便利です

カッターで錠剤を割っておいておいても品質的にも大丈夫なようです。

下記のような記録があります。

 

ドロンタールプラス錠は、室温長期保存だけでなく、温度、湿度および光による苛酷条件下保存にさらされても時間と共に変化することがありませんでした。

そのため、きわめて安定な製剤であると考えられます。

また、分割した裸の状態の錠剤も加速試験の保存条件で1ヵ月間有効成分の含量に変化はないことから、分割投与した錠剤のあまりをそのまま保管した場合においても、通常の室温条件では数力月以上品質を保つことができると考えられました。
(バイエル社)

 

副作用について

副作用はあまり見られないようです。
また妊娠犬にも使用可能なようです。

 

犬における安全性について下記のようなデータが存在します。

  • プラジクアンテル 5㎎/kg
  • パモ酸ピランテル 14.4㎎/kg
  • フェバンテル   15㎎/kg

これらを基準量として

  1. 10倍量を単回投与する試験
  2. 6倍量を3日間連続投与する試験
  3. 妊娠犬および子犬(哺乳期を含む)における試験

 

その結果、高用量を投与した場合、まれに見られた嘔吐を除き、副作用は認められませんでした。

また、妊娠犬の繁殖成績および子犬の成長に影響はみられなかったことから、妊娠犬および子犬への投与も含め、ドロンタールプラスの安全性に特に問題はないものと考えられます。

 

ドロンタールプラス
(うさパラで購入)

有効成分
パモ酸ピランテル 144mg
フェバンテル 150mg
メーカー バイエル
商品名 ドロンタールプラス
内容量 20錠


L1-fl06-02

 

 

ドロンタールプラス
(ペットくすり)


ドロンタールプラス犬用20錠

 

メーカー バイエル
商品名 ドロンタールプラス
内容量 20錠

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