鼻から出血します。いわゆる鼻血ですね。
頭にけがをしたり、血液の病気、感染症などが原因となって鼻から出血します。
重大な病気の兆候のこともありますので注意しましょう。
症状
出血する
同じ鼻出血でも原因やその程度によって出血のしかたがかなり違います。
多量の鮮血が急激に出てくるもの、何日も少しずつ出血がつづくものなどさまざまな出血の形があります。
その出血のしかたが診断の日安になることもあるので、よく注意することが必要です。
痛みがある
出血の原因によっては痛みをともなうこともあります。
そのような場合には、鼻を気にして前足でこすったり、壁や地面に鼻をこすりつけたりすることもあります。
鼻にさわられるのをいやがることもあるでしょう。
くしゃみ、せき
くしゃみやせきなどの症状が出てくることもあります。
出血が原因で鼻の内部(鼻腔) がつまると、口をあけて呼吸をするようになったり、ゼーゼー というような呼吸をすることがあります。
そのような荒い呼吸やくしゃみ、せきなどのために、 血液が外にとび散ったり、前足や後足で体をこすって血で汚し、 鼻以外のところで出血しているように勘違いすることもあるので、注意が必要です。
原因
原因が鼻腔にある場合と、そうでない場合が考えられます。
鼻腔に問題がある場合
考えられる要因
- 事故で顔面やその周囲を打撲したり骨折を起こしている
- 鼻の内部に腫瘍ができている
その原因の程度により出血の度合は違います。
外傷のときは急激に多量の出血があることが多く、腫場などが原因のときには小さな出血が断続して起こることが多いようです。
鼻腔以外の原因
血液の病気、中毒、感染症などがあり、全身的に出血が起こりやすくなっている場合が考えられ ます。
この場合は、直接鼻腔に異常がなくても鼻の粘膜から出血しやすく、また出血が止まりにくい状態のためだらだら鼻出血をつづける症状になることがあります。
治療
軽いケガが原因で少量の鼻出血がある場合には、安静にしていればほとんどは自然に止まります。
ただし、イヌの鼻腔の入口は狭くなっていますから、家庭で紙や綿棒などを押しこんで 止血しようとすると、かえって出血を大きくすることもあります。
しばらくそっとしておいての出血が止まらないようなら、早めに動物病院に連れていきましょう。
血圧が下がり、犬がぐったりするほどの大量の出血があったり、何か全身的な重大な病気があることがわかれば、その病気を治療しなければなりません。
場合によっては、内科療法だけではなく外科療法が必要になることもあります。
鼻出血がなかなか止まらないような全身的な病気や腫瘍などでは治療が困難な場合もあります。
診断の方法
家庭では、飼い主が出血の量や出ている時間などをよく観察しておく必要があります。
動物病院ではそれを参考にして鼻腔の検査をし、必要なら全身の病気があるかどうかを調べます。
とくに出血しやすい病気にかかっているときには、口腔の粘膜や皮膚などに内出血が見られることがあります。
場合によっては、頭部のX線検査などが必要になるかもしれません。