尿の通り道である尿管に、結石ができることで尿が出にくくなる病気です。
腎臓、尿管、膀胱、尿道に起こります。
一番多いのが膀胱結石です。
症状
おしっこが出にくくなって、排尿回数が増えたり、おしっこの姿勢をとるのにでなかったりします。
膀胱に大量の尿がたまって、外見からも膨らんでいるのがわかるくらいになります。
激しい痛みがあるので背中を丸めてうずくまることもあります。
結石のできる場所で症状に違いがある
腎臓結石
腎臓にはさまざまな働きがありますが、その中でも重要な仕事が尿を作っています。
腎臓は血液中から老廃物や塩分を濾過してそれらを尿として排出しています。
また、塩分の調節によって血圧の調整もになっているのです。
尿にはシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウム、尿酸などが排出されますがそれらが何らかの形で結晶化し、その結晶がどんどん大きくなったものを結石と呼びます。
腎臓にできるものが腎臓結石です。
腎炎を発症しないかぎり症状が現われないことが多いようです。
あまり痛みがないのでそのまま進行していってしまいます。
尿管結石
疼痛、発熱、血尿が見られます。
腎臓結石が流れてきて尿管に詰まることが稀にあります。
人間だと尿管結石は非常に痛みのある病気と知られています。
ここに結石が詰まれば、犬や猫でもそうとうな痛みが発生すると予想できます。
膀胱結石
腎臓から尿管を通り抜けて落ちてきた結石が排出されずに、膀胱内にとどまっている場合と、感染症や前立腺肥大などで膀胱に尿が停滞することによって結石ができる場合とあります。
膀胱粘膜の損傷から細菌性膀胱炎を併発してしまいます。
痩せている犬では触って探すことで、ある程度大きくなった結石を確認することができます。
頻尿、血尿が見られます。
尿道結石
膀胱結石が流れて尿道に詰まると、メスと違いオスでは尿道が細長いので排尿障害を起こします。
その結果、膀胱がいっぱいになり、尿毒症を引き起こす可能性があるので、速やかに排尿させる必要があります。
原因
腎臓や膀胱で、カルシウム、マグネシウム、リン、尿酸などのミネラルが結晶化することで結石ができるのです。
結石は、砂状のモノや大きなモノまで様々です。
結石ができるには食事のミネラルが関係しています。
それらに、細菌感染、水をあまり飲んでいない、尿のPH(酸性か、アルカリ性になっているか)、代謝障害などが関与しています。
治療
結石を取り除く必要があります。
レントゲンや超音波検査などを行って結石を調べます。
結石の種類によっては、症状があまりないようなら、結石を溶かす薬を使ったり、大量の水を飲ませて尿量を増やすことで、おしっこと一緒に押し流すこともあります。
症状がある場合は、手術を行って結石を取り除きます。
尿道結石ではカテーテルによる尿石の排出が試みられます。
手術後も結石ができにくい食事に切り替える必要があります。