皮膚病

舐性皮膚炎(しせいひふえん)

 

舐性皮膚炎とは、皮膚の同じ部分を繰り返し、舐め続けることで炎症を起こしてしまうことです。

症状

  • とにかくなめる。
  • 皮膚に分厚くなっている部分がところどころある。
  • 脱毛している。
  • 皮膚が赤く光沢の有る状態になりただれている。

主に、口が届きやすい前足の甲を舐めてしまうため「肢端舐性皮膚炎」とも呼ばれます。
しかし、前足の上の部分、太ももの裏、肘、足の甲の場合もあります。

 

最初は小さな患部ですが、舐めることで炎症がおこりかゆくなる、脱毛する。
さらに舐める続けるため患部の皮膚が厚くなり、盛り上がりただれる。

この悪循環の末、ただれが破れて炎症や潰瘍を起こします。

 

オスの成犬、特に中型犬、大型犬がかかりやすいという特徴があるようです。

 

原因

ストレス

人間と同じように犬もストレスを感じます。

  • 散歩に連れて行ってもらえない。
  • 留守番ばかりしている。
  • 相手にされない。
  • 同居犬とうまくいかない。
  • 運動不足。
  • さみしさ。
  • 退屈

ストレスはペットの環境や性格などの違いもある為、様々な状況が原因にあります。

特に、精神的に飼い主に強く依存しているペットの場合、ちょっとしたことで不安になりストレスを感じるようです。

 

寄生虫

ノミやダニなどの寄生虫が原因の場合、かゆみからその部分を舐め続けることで皮膚炎になってしまいます。

 

 

アレルギー

食べ物やハウスダスト、花粉などのアレルギー反応が原因で舐め始める。
かゆみから舐めはじめやめられなくなり、皮膚炎へと発展してしまう場合もあります。

季節の変わり目、いつもと違うドッグフード、おやつなどが原因かもしれません。

また、アトピー性皮膚炎を持っている場合もかゆみから舐めてしまう。

 

脳疾患

もし脳内に疾患がある場合、自分の行動に対して抑制ができなくなることがあります。
その場合、舐めるのをやめる。という制御ができなくなり舐性皮膚炎になることがあります。

 

甲状腺疾患

甲状腺ホルモンの低下によって新陳代謝が滞ると、被毛が簡単に抜けるようになってしまいます。
甲状腺ホルモンは健康な皮膚と被毛を維持する、免疫力などに重要な役割をしています。

 

 

治療

舐めるのをやめさせる必要があるのでエリザベスカラーなどを使用して、患部を治していきます。

重症の場合にはステロイドの投与や外科的手術が必要なこともある。

外科的な処置の他にも精神的な部分のケアが必要です。
多くの場合、原因はストレスにあります。

 

ダニ、ノミなどが原因の場合は駆除剤を使って寄生虫を排除するところから始めます。
他にもアレルギーなどの基礎疾患がある場合、そちらを先に治していく必要があります。

 

予防

ストレスなどの精神疾患が大きな要因ともいわれているので
生活環境の見直し、飼い方、犬との接し方などを改善していかないと根本的な
解決にはならないでしょう。

きちんと散歩に連れていく。
長時間孤独にしない。など当たり前のことをすることが予防となります。
家族の一員ですのできちんと接していきましょう。

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