アレルギーによる皮膚炎は、特定の物を食べたり、吸い込んだり、場合によっては触れたりすることによって免疫の過剰反応、アレルギーとして現れます。
通常は害のないものに対して、異常な反応を示すことをアレルギーといいます。
症状
皮膚に赤いポツポツができたり、赤く腫れます。
強いかゆみがあるため、しきりに掻いたり、舐めたり、咬んだりします。
その結果、皮膚に傷がついて表皮がはがれて潰瘍ができたり出血してしまいます。
また、体液が滲み出てきて患部がじゅくじゅくしたり、それが乾燥してフケ上のものが浮き出てきたりします。
皮膚の状態の悪化に伴って、被毛が薄くなったり、脱毛が見られるようになります。
アトピー性皮膚炎や食物性アレルギーは外耳炎をともなうこともあります。
かかりやすい犬種
- ウエスト・ハイランド・ホワイトテリア
- ゴールデンレトリバー
- ラブラドールレトリバー
- シーズー
- 柴犬
- シェパード
- ビーグル
症状の出やすい場所
アレルギーの原因によって、症状が出やすい部分が存在します。
アトピー、吸引性アレルギー
全身に症状ができますが、特に足先、脇の下、おなかなどに起きやすくかゆみも強いのが特徴です。
かかりやすいのは、6か月~3歳くらいの犬です。
接触性アレルギー
首輪が原因なら首まわりと言ったように、アレルゲンとなる物質に触れた場所に症状が起こるため全身のどこでも可能性があります。
食物性アレルギー
耳、頭、口のまわりなど、多くは頭部を中心に症状が現われます。
かかりやすいのは若い犬と老犬です。
原因
免疫機能が過剰に反応することで起こります。
人間を含む動物には細菌やウィルスなどの外敵から見守るための免疫システムがありますが、この免疫機能がホコリやダニなど、通常は反応しないものに対して過剰反応して体に悪影響を及ぼすことがあります。
これがアレルギーです。
この反応の原因物質をアレルゲンと呼びます。
アレルギー症状別のアレルゲン
アレルギーが原因で、皮膚にさまざまな異常が現れるアレルギー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎
- ほこり
- カビ
- 花粉
- 動物のふん
- ダニ類
これらのアレルゲンを口や鼻から吸い込んで起こるものです。
接触性皮膚炎
アレルゲンに触れる事によって起こります。
- 刺激性のある植物の汁
- 虫の毒
- 洗剤
- シャンプー
- 金属
- 防腐剤
アレルゲンとなり得る物質は多岐にわたります。
食物性アレルギー
食べ物に含まれるアレルゲンを摂取することで反応して起こります。
起こるすべての原因がわかっているわけではありませんが、ペットフードによく使われる食材がアレルゲンになりやすいと言われています。
- 牛肉
- 鶏肉
- ラム肉
- 乳製品
- 小麦
- 鶏卵
- 大豆
- とうもろこし
食物アレルギーは人間でも苦労するものです。
特定するのに時間もかかります。
血液検査をしてもらうのも良い方法です。
ノミアレルギー性皮膚炎
ノミはペットに寄生して、吸血しますが、そのさいに唾液が注入されます。
そのため、このノミの唾液がアレルゲンとなっています。
治療
アレルゲンを特定し取り除きましょう。
アレルギー性皮膚炎は原因であるアレルゲンを取り除くことができれば症状はなくなります。
生活環境や最近の食べ物の変化などから、ある程度の原因物質を特定できるのでよく考えてみましょう。
可能性のあるアレルゲンを与えてみて反応を見るなどして、アレルゲンを特定することができれば、今後気をつけることができます。
病院でアレルゲン検査
血液を採取することでアレルゲンを知ることができます。
2~3万円程度で、1~3週間ほどかかるようです。
少し費用が高いようですが、気づいていなかった原因物質を知ることができるので金額以上の価値があると言えるでしょう。
原因がわからないことも
アレルゲンの特定をできないことも多く、またはホコリやダニなどが原因だった場合、完全になくすことはかなり難しいでしょう。
このような場合は、アレルギーを抑える薬や、かゆみ、炎症をおさえる薬をあたえる対処療法になります。
人間でいえば花粉症の薬にあたるでしょう。
予防
アレルギー性皮膚炎の予防策としてはアレルゲンを知ること。
そして、アレルゲンを近づけないようにすることになります。
また、原因が特定できなくてアレルギーを止められない場合は、かゆみや炎症を抑える薬を使ってかきむしることで起こる2次被害を防ぐことも大切です。
抗アレルギー薬
プレドニゾロンはステロイドの飲み薬になります。
炎症を抑えたり、アレルギー反応を抑える効果があります。
ステロイドは非常に効果がありますが副作用もあります。
理解して上手に使いましょう。