細菌による感染症に対して使うお薬です。
原因となっている病原微生物を殺菌することで、症状を改善する効果が期待できます。
さまざまな細菌に対して有効なので、呼吸器や耳鼻などの症状にも使うことができます
セファレキシンの作用
細菌類には細胞壁が存在する。
しかし人間や犬猫などの哺乳類には細胞壁が存在しない。
有効成分のセファレキシン
細菌の外側の壁(細胞壁)の合成を阻害することで、細菌を殺して細菌性皮膚感染症などを改善します。
本来は人用医薬品ですが、動物医薬品としても使用されます。
使用に際しては獣医師の処方と指導が必要となります。
セファレキシンの特徴
グラム陽性、グラム陰性菌にも抗菌力がある。
広域ペニシリン系薬と比較すると
- ブドウ球菌
(ペニリシナーゼ耐性菌を含む) - 大腸菌
- 肺炎程菌
これらに対してに優れています。
グラム陽性菌に効果の高い第一世代セフェムですが、β-ラクタマーゼに不安定であること。
肺炎球菌、レンサ球菌ではやや劣っている側面を持っています。
また、腸球菌や緑膿菌、嫌気性菌への効果もありません。
使いどころ
第一世代セフェム系であるセファレキシン
- 黄色ブドウ球菌
- 大腸菌
- レンサ球菌
- 肺炎程菌
など対して有効です。
これらの細菌は皮膚や軟部組織(筋肉、血管など)で感染症を起こす原因菌です。
犬、猫の皮膚の感染、傷口の感染、骨の感染、肺炎、膀胱の感染などのバクテリア感染治療に処方されます。
呼吸器や尿路にも
セファレキシンは血液への移行も優れているため、呼吸器感染症や尿路感染症によく使われます。
- 黄色ブドウ球菌による肺化膿症や膿胸
- 皮膚感染症や腹腔内膜瘍
- 大腸菌による尿路感染症
これらの場合などに用いられてきました。
皮膚感染症(膿皮症)に
有効成分のセファレキシンは犬の膿皮症に対して効果的です。
病原性の細菌の増殖を抑えることによって症状を改善させることが期待できます。
ポイント
皮膚感染症については必ずしもグラム陽性菌の仕業とは限りません。
別の原因菌の場合はお薬を変えましょう。
また、寄生虫・ダニ・ウィルス・真菌による感染には効果がありません
用法用量
体重1kgあたりの投与量 | |
犬 | 猫 |
10~40mg | 10~20mg |
1日2回 7日間投与してください。
1回目と2回目のお薬の間隔は最低10時間空けるようにしてください。
- 猫の皮膚および皮下組織の感染症(傷や膿瘍)の治療には5日間
- 尿路感染症の治療には14日間
- 犬の表在性皮膚炎の治療には最低15日間
- 犬の深在性皮膚炎の治療には最低28日間
犬の場合
▼細菌性皮膚感染症
1回の量:体重1kgあたりセファレキシンとして15mg
投与:1日2回 7日間
投与の際は水に分散して飲ませる。
ただし、2回の投与間隔を最低10時間とする。
▼尿路感染症(細菌性膀胱炎を含む)
1回の量:体重1kgあたりセファレキシンとして12~25mg
投与:1日2回(12時間毎)
投与の際は水に分散して飲ませる。
猫の場合
▼細菌性皮膚感染症
1回の量:体重1kgあたりセファレキシンとして22~30mg
投与:1日2回
投与の際は水に分散して飲ませる。
症状が改善してからも、7日間、重症例では14日間継続する。
▼尿路感染症(細菌性膀胱炎を含む)
1回の量:体重1kgあたりセファレキシンとして12~25mg
投与:1日2回(12時間毎)
投与の際は水に分散して飲ませる。
用法用量は目安です。
使用の際は獣医師の指示に従ってください。
注意事項
下記の動物には使用しない。
- 体重1kg未満の子イヌ
- 週齢9週未満の子ネコ
過敏症(アレルギー)反応
セファロスポリン系の抗生物質はアレルギー反応を起こすことがあります。
耐性菌について
上記の用途以外で使用した場合
セファレキシンに対して耐性を持つ菌が生まれ、セファロスポリン系やペニシリン系といった抗生物質が効かなくなったり、効果が弱くなる可能性があります。
副作用について
まれに胃腸障害が起こることがあり、おう吐や下痢が見られた場合は獣医師に見てもらいましょう。
セファレキシンのお薬
有効成分:セファレキシンのお薬です。
容量が違うのでペットの体重に応じたものを選びましょう。
リクセン
内容量 | 1箱 7錠 |
ケファレキシン
内容量 | 1箱 28カプセル |
セファデックス
内容量 | 1箱 200錠
(10錠のシートが20枚) |
トフレックス
内容量 | 1箱 100カプセル |