胃や小腸で栄養が吸収された食べ物は、大腸に降りて水分が十分に吸収され、形のしっかりしたウンチになって排泄されます。
しかし、胃腸の働きに何らかの不調があると、水分が十分吸収されず「ゆるいうんち」いわゆる下痢になってしまいます。
犬はもともと腸が短い生き物なので下痢をしやす構造になっています。
また、1日の寒暖差が7℃以上あると、おなかが冷えて下痢しやすい傾向にあります。
下痢の原因
案外犬は、ちょっとしたことでも下痢を起こします。
疲れだったり、季節の変わり目だったり
しかし、これらの原因と関係なく体質的に下痢になりやすい子もいます。
ストレス
人間も緊張や精神的なストレスを受けておなかがゆるくなったりします。
同じように犬もなります。
- 長い留守番
- 家族がケンカをする
- ペットホテルに預けらた
- 雷がなっている
- 引っ越し
- 新しいペットが増える
さまざまなストレスが下痢を引き起こします。
乳糖不耐症
牛乳を飲むと下痢をする犬がいます。
牛乳には乳糖が入っています。
子犬のころは乳糖を分解する酵素があるので平気ですが、おとなの犬には牛乳の中の乳糖成分を消化する酸素が不足しているからです。
人間でも大人になると牛乳でおなかが痛くなるのはこのためです。
食べ過ぎ、アレルギー
食べものが合わない(食物不耐性、食物アレルギー)、食べなれないドッグフード、 あるいはいちどに大量に食べすぎたなどの場合にも、下痢をすることがあります。
また、おやつやドッグフードが酸化してしまっている場合もあります。
開封したらどんどん酸化は進んでいくと考えましょう。
犬のサイズに合わせて、小袋になっているドッグフードのほうが良いかもしれません。
寄生虫
寄生虫も下痢の原因になります。
感染症
ウイルスや細菌に感染して病気になると下痢をすることもあります。
時には同時に発熱することもあり、体温を測って39.5℃前後より高いようなら感染症の可能性が疑われます。
かぜのような感染症でも下痢は2日以上つづき、水のような便やタール便(小腸や大腸の出血のために便がチョコレー ト色または黒色になり、ドロッとしている)が出ることがあります。
下痢とおう吐
このような下痢と同時におう吐も見られる場合には、深刻な感染症にかかっている可能性があります。
- サルモネラ菌による食中毒
- パルボウイルス感染症
- イヌ伝染性肝炎
- コロナウイルス性腸炎
- レプトスピラ症
- ジステンパー
このような感染症は緊急の治療が必要になります。
食中毒やパルボウイルス感染症では、腸全体がはげしい炎症を起こします。
レプトスピラ症やジステンパーでも、はげしい下痢とおう吐を引き起こすことがあります。
下痢の対処
軽い下痢症状は、1 日くらい絶食させるか、味をつけたおかゆなどの消化のよい食べもの少々と下病止め薬を与えだけで、翌日には治ることもあります。
しかし、下痢が何日もつづいたり、下痢とおう吐を起こしたときには、 放置しておくとイヌの生命にかかわります。
家庭では手におえないので獣医師によるすみやかな治療が必要です。
考えられる主な原因
- 胃と腸の病気
- 食物アレルギー
- 下痢
- 脾臓の病気
- 肝臓の病気
- ジステンパー
- パルボウイルス
- イヌ伝染性肝炎
- レプトスピラ症
- 内部寄生虫
- 腹部の腫瘍
- 中毒
- 過食
- 精神的ショック