体をかく
しきりに体をかゆそうにしているとき、まず考えるのが皮膚のトラブルです。皮膚病になっていると、かゆみのために体をひっかいたり、かゆい部分をなめたり、口でかんだりします。
この行動により、傷口ができて二次感染が起こったりします。
犬が体をかいているのに気づいたら
かいている部分の被毛をかき分けて皮膚の状態を観察してみましょう。
赤くなったり腫れていたり、毛が抜けるなどの異常があれば、皮膚病が疑われます。
皮膚病と言ってもさまざまな病気があって、内臓の病気が原因で体をかくこともあります。
心臓疾患などで血液循環が悪くなると、体の表面がしびれてくるため、その不快感でしきりに掻いたり、なめたりします。
考えられる病気
- 皮膚病
- 心臓の病気
フケが出る
フケというのは剥がれ落ちた角質細胞のかたまりです。
フケ自体はいたって異常なものではありませんが、被毛をまめに手入れしているにも関わらず、フケが目立つようなら、皮膚病が疑われます。
皮膚に炎症があると、皮膚に炎症があると、皮膚細胞の代謝が異常に速くなり、古くなった皮膚細胞が固まってフケができやすくなります。
フケが出るようなら、被毛をかき分けて皮膚の状態を観察しましょう。
脱毛やかゆみなどがあるかを調べましょう。
皮膚病だけでなく、内臓の病気でもフケが出ることがあります。
心臓や肝臓などに障害があると、皮膚の血行がわるくなり、皮膚の老化が早まってフケが出やすくなります。
考えられる病気
- 皮膚病
- 心臓の病気
- 肝臓の病気
毛が抜ける
春や秋の換毛期でもないのに大量の毛が抜けるときは、 要注意です。
まず考えられるのは、皮膚病です。
皮膚病には、細菌感染、寄生虫、アレルギーなど、 とても多くの種類がありますが、あらゆるタイプの皮膚病で、毛が抜けます。
どのような皮膚病でも、進行すると毛が抜ける場所は全身に広がります。
- アレルギー性の皮膚炎
顔や足から全身に脱毛が進んでいきます。 - 膿皮症
傷から細菌感染する膿皮症では全身に症状が現われます - 皮膚真菌症
鼻や足の先から全身に毛が抜け始めることが多くなっています。
皮膚真菌症の場合、円形に毛が抜けるのが特徴です。 - 副腎皮質や甲状腺の異常
ホルモンバランスが崩れることで毛が抜けてしまいます。
この場合、脱毛は左右対称に起き、 かゆみを伴うことはあまりあ りません。
考えられる病気
- 皮膚病
- ホルモンの病気
皮膚病チェック
背中
ニキビタニ症(毛包虫症)や臓皮症のほか、フィラリア症でも背中の皮膚に異常が見られます。
ノミアレルギーでは、尾のつけ根から背中にかけて脱毛することが多くなっています。
おなか
副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されるクッシング症候群では、腹部にかゆみが生じます。
この場合には、左右対称に皮膚の異常が現れるのが特徴です。
耳
多くは、耳の中に寄生するミミヒゼンダ二が原因です。
耳の中がかゆいため、耳の後ろをしきりにかき、そのために脱毛や皮膚の異常が生じます。
足
常に地面に接している足は、細菌などに感染しやすく、膜皮症などの感染症を起こすことがよくあります。
アレルギー性皮膚炎の可能性もあります。
鼻先
鼻先で地面などをクンクンかいでいると土を経由して細菌やカビの仲間、寄生虫などに感染することがあります。
膿皮症、ニキビダニ 症、皮膚真菌症などの可能性があります。