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日本紅斑熱

マダニに刺されることによって病気になることがあります。
ダニが保菌しているためです。
この病気もいくつかある感染症の一つです。

ペットがなる病気ではなく人間が感染してしまうものです。

原因

日本紅斑熱リケッチアという細菌を保有するマダニ(キチマダニ、フタトゲチマダニなど)に刺されることで感染する病気です。
病原体は日本特有のものでリケッチア・ジャポニカと呼ばれています。
この細菌に感染することで日本紅斑熱になります。

マダニが保菌しているので刺されて吸血されて、マダニの唾液が体内に入って感染するわけですが、全ての個体が病原体を持っているわけではありません。
人から人への感染はありません。

 

症状

刺されてから2~8日後に症状が現れます。

  • 頭痛
  • 全身倦怠感
  • 関節痛
  • 筋肉痛
  • 高熱(39℃程度)
  • 発疹

体内の異常

  • CRP陽性
  • 白血球減少
  • 血小板減少
  • 肝機能異常

高熱とほぼ同時に紅色の発疹が手足、手掌、顔面に米粒大から小豆大で不揃いに体の中心に向かってたくさん発生します。
かゆみなどはないのが特徴です。
これらの症状が起こり、治療が遅れた場合、重症化して腎不全などで死に至ることもあります。

夏から初冬といったマダニがたくさん発生する時期に多く発祥しますが、真冬を除いてほぼ1年中感染する可能性があります。

 

 

治療

ダニが刺した部位には「刺し口」と呼ばれるかさぶたのようなものができます。
そのため刺し口を見つけることは診断の助けとなります。

抗生物質がよく効くので、この病気であることに気づけば治療できます。
しかし、気づかないまま経過すると重症化して、最悪の場合は死亡することもあるので注意が必要です。

  • テトラサイクリン系抗菌薬が有効です。
    重症例ではニューキノロン系抗菌薬を併用

自己判断しないで異変を感じたら医療機関へ行きましょう。
死亡する可能性もある怖い病気です。

 

予防

ダニに刺されたからと言って、必ずリケッチア症になるわけではありません。

野山へ行く時やお散歩のときの注意事項です。

  1. 長袖、長ズボン、帽子、手袋等を着用し、できるだけ皮膚を出さないようにするようにしましょう。
    また、服装はできるだけ明るい色のものを着用すると付着したダニを発見しやすい。
  2. 虫よけスプレーを使いましょう。
  3. 山林・草地・藪などへ立ち入った後は、必ず入浴してよく洗い流しましょう。
    また虫に刺された跡や寄生されていないか確認することも重要です。
  4. 万一、山林・草地・藪に立ち入って数日~一週間後に発熱、発疹等の症状がでた場合は必ず医療機関で野山での活動について詳しく報告しましょう。
  5. ペットの体にダニがくっついていないか確認しましょう。

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