先日、我が家のワンコの真っ白な手に茶色い小さなナニかくっついているのを発見しました。
よく見ると動いているではないか!!
つまみとってみるとそいつはダニだった・・・
そう、暖かくなってくると必ず増えてくるノミやダニ。
知ってるようで良く知らない。
今回はダニに注目してみた。
そもそもダニって?
今回発見したものはマダニと呼ばれるものです。
よく言われる布団や畳などホコリに混じっているダニは微小すぎて見えませんが、ペットなどに付着するマダニは肉眼で確認できるくらいの大きさです。
マダニは8本脚からなる節足動物
昆虫(6本脚)ではなく蜘蛛やサソリに近い生き物です。
日本にいるマダニのうちで、ペットに寄生するのは約20種類です。
ダニの生態
気持ち悪いヤツですが、かなり身近な存在です。
知っておいて損はありません。
ダニの一生の流れを見ることでどんなヤツなのかを知っていきましょう。
生息している場所
ダニの仲間は「湿気の多い場所を好む」という特徴を持っています。
そのため、森林や草むら、湿地帯、水田などに生息しています。
知ってのとおりダニは吸血します.
まずは「野生の動物にくっつくこと」を目標としています。
普段は植物の葉っぱの先端や葉っぱの裏などに潜んでいて動物が来るのを待伏せしています。
食事は唯一血液のみになっています。
前足にセンサー(ハラー氏器官)がある
優秀なセンサーを持っていて、これらの変化を感じ取ることができる。
- 炭酸ガス (呼吸したときの二酸化炭素を感知する)
- 宿主の臭気 (ニオイ)
- 体温
- 遮光 (動物が通ることで影ができる。を感じる)
- 物理的な振動
草の先端へ這い上がって前足を広げた状態で待ち構えて、センサーで感知して潜伏している草に動物が触れたタイミングで寄生します。
自然にいるマダニは縦方向以外にはあまり移動しないそうです。
上にあがるが隣の草に移動する。という行動はあまりしない。
餓死することもある
移動をあまりしないため、不幸にもずっーーーと動物が通らない場所に待ち伏せしてしまった場合には餓死します。
活動期間
厳寒期のころは未吸血の状態で落ち葉の下などに隠れて越冬します。
このため春先になり気温があがるころ、休眠から多くのマダニが目覚めて吸血するために動物を狙っています。
時期でいうと5月上旬前後くらいなので・・
草地の草丈が10cm以上になる頃に活動を開始する感じです。
そのため
- 初夏から夏には成ダニの数がピークを迎え、吸血、落下、産卵を行うことになります。
- 初秋あたりに孵化した幼ダニの数がピークを迎えます。
日本に分布するマダニのうち約20種類が犬に寄生します。
- フタトゲチマダニ
- ヤマトマダニ
など
休まないやつもいる
大変迷惑ですが、キチマダニという種は活動期間がとても長くほぼ通年活発に活動しています。
夏季さらには晩秋には一番吸血活動が盛んになっております。
このようにダニの種類が変わっていくため、真冬以外もダニのリスクはあると考えられます。
寄生する
日本国内のマダニはほとんどが3宿主性マダニであります。
3宿主性というのは3回、動物をお引越しするということです。
どういうことかというと幼ダニ、若ダニ、成ダニとパワーアップしていくのですが、それには脱皮が必要になります。
- パンパンになるまで吸血したら地上に降りる。
- 脱皮する。
- また動物を探す。
を繰り返すのが3宿主性です。
幼ダニ 約1mm
気持ち悪いかもしれませんが、ペットの体に付着している可能性はかなり高い。
目をそらせずに頑張りましょう。
非常に小さい
一番最初の形態、幼ダニです。
温度や湿度などの条件がそろうと、20~30日程度で地上に落ちている卵からダニが孵化します。
うまく動物を見つけて、3~4日間にわたって吸血して、飽血すると地面に落下します。
飽血はお腹いっぱいでこれ以上食べれない状態です。
幼ダニはゴマ粒程度になりますが、飽血しても非常に小さいため見つけるのが困難です。
地上で消化と成長を行って1週間後に脱皮します。
次の形態である若ダニになるわけです。
若ダニ 最大1.6mm
次の動物(哺乳類や鳥類)などを見つけて、4~5日間にわたって吸血して、飽血する地面に落下します。
飽血すると若ダニは米粒程度になります。
同じように地上で成長と脱皮を行うので、2~3週間後に成ダニになります。
成ダニ 3mm~4mm
成ダニの吸血期間はほぼ1週間程度ですが、種類によっては1か月のものもいます。
成ダニは今までと目的が違います。
交尾を行い産卵するために吸血するのです。
飽血した成ダニは小豆粒程度です。
ちなみに交尾できなかったメスダニは、ダラダラと長期間にわたって吸血を続けます。
やがて満タンになって地上に落下するが産卵することはできない。
オスについては、メスほどの量は必要ないが吸血することで精子を作ることができるようになる。
そのためオスもメスも動物の上で吸血をしたうえに交尾を行うことになる。
例外
一部のマダニは単性生殖が可能なため交尾が必要ない種類もいます。
産卵
もう吸いきれないほどパンパンになったメスマダニは地上に落下して産卵をします。
湿度の高いところを好み、光の入らない物陰や木の葉の下などに潜みます。
2~3週間の間に2,000~3,000個もの卵を産んで死にます。
卵は1ヶ月から2ヶ月の期間をもって孵化し、幼ダニになるわけです。
すぐに宿主探しの行動を始める。
吸血によって食事を行う
マダニは哺乳類の生き血を唯一のエサとしているので、動物にくっついたマダニはすぐに吸血する場所を探し始めます。
その手順を見てみましょう。
1.口器を突っ込む
鋭く尖ったハサミのような口で皮膚を切り裂いて、口を突っ込みます。
チョキチョキしながら肉を切り裂き進むわけです。
2.吸血開始
ノコギリストローをしっかり差し込んだダニは吸血を始めます。
吸血から24時間ほど経過すると、唾液腺で作り出されるセメントのような物質を分泌して、口のまわり全体を包み込んで固めてしまいます。
これによってガッチリと固定されるのだ。
セメントのあとには、血液が固まるのを阻止する抗血液凝固剤を分泌して固まらないようにする。
さらに、炎症、充血、浮腫、出血を促進する物質を唾液ともに吐き出します。
これによって血がたっぷりと患部にたまるようになります。
3.数日後
満腹になるころ自分で作ったセメントを溶かす成分を分泌して口器を抜き取り、地上に落ちるのです。
ダニによる貧血??
あんな小さなヤツに血を吸われて貧血になるはずがないと考えるでしょう。
マダニは動物に付着後、数日感の間吸血を行います。
吸血時のメスのマダニは表皮を伸ばしながら成長することができます。
結果、満タンになるころには
- 5倍の大きさ
- 100倍の重さ
このようになっております。小豆くらいになってしまうわけです。
※ちなみにオスは膨れる程度です。
小豆程度で貧血なる理由
メスのマダニが吸血すると血液を濃縮作業にはいります。
血液の栄養分を濃縮して、水分は動物に吐き戻すことで約3倍以上の濃縮血液をお持ち帰りするのです。
血液がトマトならダニはケチャップにして持って帰るという感じです。
そのため濃縮すると血液量にしてマダニ一匹で1mlになるそうです。
例えば・・・
200匹のマダニに寄生されたら牛乳瓶1本分200mlの出血をしたのと同じになります。
体重5kgの犬の総血液量は400mlです。
貧血意外にも異変が起こっちゃいますね。