免疫力が低下したときに、本来なら退治できるはずの細菌の侵入を許し、全身に広がって最悪の場合、死に至る病気です。

 

敗血症とは?

敗血症は、感染症を起こしたことで引き起こす疾病です。
感染症とは、大気、水、土壌、動物、人間などに存在する病原性の微生物が、体内に侵入することで引き起こす疾患です。

敗血症は、感染症を起こした部分から血液に細菌が侵入し、全身へとまわることで重篤な症状を引き起こします。
その始まりは免疫力の低下です。

しかし、細菌が血液中に侵入しただけでは敗血症とはならず、全身症状が出たり、感染症が疑われたりすることで初めて敗血症と呼ばれます。

 

敗血症の原因菌

特に多いのは連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、肺炎菌などによる感染症です。
最近の種類はこのように多岐にわたります。
そのほか、ごくまれにカンジダなどの真菌などのケースも見られます。

敗血症につながる感染は主に、肺、腹部、もしくは尿路であることが多い傾向にあります。
すべての場合が該当するわけではありません。

 

敗血症の症状

これらの症状は敗血症で心臓や血管、免疫系やリンパなどが影響を受けたことが原因で起こっています。

  • 間欠性発熱(熱が上がったり下がったりする)
  • 持続性発熱(熱が続く)
  • おう吐
  • 食欲不振
  • 元気がなくなる
  • 呼吸が速くなる
  • 歩行異常
  • 心拍数の増加

 

などがみられます。

 

どんなときなりやすいのか

病原菌が血液に侵入した結果、必ず敗血症になるわけではありません。
免疫力が低下していたり、慢性疾患を持っていると敗血症のリスクが高くなります。

 

免疫力が低い

  • 幼い犬
  • 妊娠中
  • 高齢犬

 

 

持病

もともと他の病気を患っているときに、合併症として敗血症につながってしまいます。

  • 子宮蓄膿症
  • 肺炎
  • 腹膜炎
  • 腎不全
  • 肝不全
  • 糖尿病
  • 肝硬変

これらの病気には注意が必要です。

 

 

病気の治療薬

病気を治すために投薬を行いますが、その影響で敗血症になってしまうことがあります。

  • がんやエイズなどの免疫系の病気を治療中
  • ステロイドなど免疫系を抑制する薬を使っている

 

これらのように自分の免疫が原因で病気になっている場合には、免疫抑制剤を使うことがあります。
免疫抑制剤は、文字どおり免疫を抑制するので免疫力が低下しています。
そのため細菌などに対して弱くなっています。
侵入されれば容易に敗血症へとつながるでしょう。

 

細菌が血液に入り込む原因

中耳炎や抜歯、腎盂腎炎や副鼻腔炎など原因はさまざまです。
軽い風邪のような症状だと思っていたら、急に重篤な敗血症の症状が現れることがあります。

特に上記のような免疫力が低下した状況では、敗血症になりやすくなっています。

 

 

敗血症によっておこるショック症状

敗血症は重症化すると、危険なレベルまで血圧が低下してしまい、血流が不足して臓器が機能不全に陥る敗血症性ショックを起こし、体温が低下して死に至ることがあります。

細菌が産生する毒素によって、体の中の細胞が炎症を誘発する物質(サイトカイン)を放出します。
サイトカインには免疫系が感染に対処するのを助ける働きがあります。

 

しかし、サイトカインには良くない部分もあります

  • 血管が拡張し、血圧が低下します。
  • 臓器内部の毛細血管の血液が凝固します。

 

この影響によって次の症状が起こってしまうのです。

  • 生命維持にかかわる臓器(腎臓、心臓、脳など)への血流量が減少します。

 

さらにこれに対処するために

  • 心臓の活動が激しくなり、心拍と送り出される血液の量が増加します。
    細菌毒素と心臓への負荷により、やがて心臓が弱ります。

 

その結果

  • 心臓から送り出される血液量が減少し、生命維持にかかわる臓器に血液が十分供給されなくなります。
    十分な血液が供給されなくなると、組織は乳酸(老廃物)を過剰に血流に放出するため、血液の酸性度が高まります。

 

こうした一連の作用によって、内臓の機能不全が悪化していく悪循環がもたらされます。

 

 

敗血症の治療

 

原因菌に効果のある抗生物質を投与することが最適です。

敗血症の特徴は症状が急速に悪化します。
治療が遅れると命にかかわるので、時には検査結果を待たずに、問診から得た情報から投薬治療を開始されることも多いのです。
抗菌剤などを使い、早めに治療します
感染源から原因を予想し、広い範囲で効果のある複数の薬剤を組み合わせて投与されます。

その他にも、低血圧に対する処置、外傷にの治療、膿瘍から膿をだしたりなども行います。
子宮蓄膿症・腸管損傷が原因のときは手術も必要になります。