犬は好奇心が強く、においに誘われやすいところがあり、ときに様々なモノを口にしてしまいます。
そのため、家庭にある殺虫剤や洗剤、庭に生えている植物などによりときに中毒をおこす可能性があります。
中毒とはなんだ?
中毒とは、「動物の体にとって不必要」あるいは「有害な物質」が体内に入ることによって、生理的な障害が起きた状態のことです。
そのような物質には、食品、薬物、液体や気体、他の動物などさまざまなものがあります。
薬物による中毒には、誤って飲んだり食べたりして起こるものと、人間に投与されて起こるものがあります。
中毒には急性中毒と慢性中毒があります。
急性中毒は一回食べただけですぐに症状が現われます。
慢性中毒は、繰り返し少しづつ食べ、症状もゆっくりと現われます。
中毒の例 クーラント
自動車のラジエーターの冷却液として使用される不凍液があります。
不凍液の主成分はエチレングリコールで、犬の好きな甘い味がします。
そのため、古い車のラジエーターから漏れた不凍液などを犬がなめることによって、中毒になることが冬場によく起こります。
中毒の例2 心不全のお薬
ジギタリスという心不全の人の代表的な薬です。
心臓の収縮力を高める作用があります。
そのためこの薬品があやまって口に入ると動物は中毒を起こします。
命に係わる重い不整脈が起こります。
中毒を起こした時の大切なポイント
中毒を起こした犬を診断するときには、飼い主の報告の内容が大変重要になります。
しかしこのようなパターンが良くあるようです。
- 飼い主が殺虫剤を使用したのにそれを報告しない。
- 犬の生活環境の近くで除草剤を散布したにもかかわらず報告しない。
また中毒を起こしてからどのくらい時間が経過しているか?
これもとても大切なのでを正確に報告しないと診断を誤る可能性もあります。
したがって、飼い主がありのままを報告することが、中毒の診断と治療において大変重要な要素となり、このことが後の結果につながっています。
食べ物による中毒
食べ物による中毒症状は有毒成分を摂取したときに起こります。
人間が食べて中毒を起こすようなものは、犬も中毒を起こすと考えましょう。
犬がそれらを何らかの形で体内に取り込んだ場合に、中毒が起こり、なかには有効な治療法がないものもあるので注意が必要です。
とくに犬は、たまねぎ、ネギ、人参、にんにくなどで中毒を起こすことがあります。
植物による中毒
家庭の周囲にある植物を食べて中毒を起こすことがあります。
葉っぱや花、球根などさまざまな部分に毒が含まれている可能性があります。
場合によっては重篤な症状を引き起こすとになります。
薬品による中毒
薬品を舐めたり飲んだり、吸い込んだりすることによって中毒になります。
家庭内には、さまざまな薬品が存在します。
それらのものを犬が誤って口にすると、中毒症状を起こしてしまいます。
- 殺虫剤
- 殺鼠剤
- 除草剤
- 植物につくカビや細菌を殺す殺菌剤(抗生物質)
- 犬のダニなどを駆除するための薬浴剤
- ノミ取り首輪
これらのものでも中毒を起こす可能性があります。
重金属による中毒
重金属がイヌの体内にとりこまれた場合、重大な事態をまねきます。
問題になりやすい重金属が下記のようにあります。
- 鉛
- 鉄
- 水銀
- アンチモン剤
- ヒ素
- フッ化物
- リンの化合物
- タリウム
これらのうち、殺鼠剤や殺虫剤、除草剤などに含まれているヒ素、フッ化物、リンの化合物などは製造や使用がしだいに少なくなっていますが、今後も注意が必要です
鉛中毒
身近な製品の中で鉛が含まれいるものはさまざまです
- 古いペンキ
- バッテリー
- はんだ