イヌは健康なときでも、はげしい運動の直後や、塩分や糖分の多い食べものを食べた後などにはかなり水を飲みます。
また、 水分を多く含んだ食事をとっている犬より、ドライドッグフ ードを主食にしているイヌの方がどうしても水を大量に飲みます。
しかし、異常にたびたび水を飲むようなら、病気とみなくてはなりません。
ホルモン分泌の異常による病気
甲状腺機能亢進症(クッシング症候群)
副腎皮質刺激ホルモンが過剰に作られることにより、副腎脂質ホルモンが過剰に分泌されます。
この影響の一つとして水を大量に飲むようになり、尿の量が増えます。
異常に水を飲み、たくさん食べるようならこの病気を疑いましょう。
尿崩症
尿崩症は、抗利尿ホルモンの異常によっておこります。
抗利尿ホルモンとは、脳の支床下部で生成されて脳下垂体を通して分泌されるホルモンで、腎臓に作用し尿の量を調節しています。
このホルモンが正常に機能しなくなることで、尿がとめどなく出てしまうのです。
そのため、水を飲んでは尿になるのでよく飲むようになるのです。
それゆえ、水分が不足すると簡単に脱水症状や痙攣が起きてしまいます。
泌尿器の病気
膀胱炎
尿道から侵入した細菌が膀胱に感染して炎症を起こします。
膀胱炎の症状
- 熱がでたりする
- 食欲不振
- 元気がなくなる
- 水をたくさん飲むようになり、尿の回数が増える
膀胱炎は体の構造上、メスのほうかかかりやすい病気です。
理由は尿道がオスのほうが細くて長いためです。
物理的に距離もあるので侵入しにくいのです。
慢性腎不全
慢性腎不全は、数ヶ月から数年という時間をかけて腎臓が少しずつ破壊され、腎臓の3/4以上の機能が低下してしまいます。
高齢犬がなりやすい病気の一つです。
慢性腎不全の症状
- 水をよく飲むようになって、おしっこの色が薄くなった
- 少しずつ痩せてきた
- 食欲や元気が無くなってきた
- 吐くことが多くなる
年をとったせいだと思い込んでいませんか?
慢性腎不全を起こしていて、そのため水をよく飲むようになっている可能性があります。
糖尿病
インスリンが脾臓から分泌されなくなることによってさまざまな症状を引き起こします。
糖尿病になると尿がたくさんでるようになるので、その影響で水分を多くとるようになります。
子宮蓄膿症
子宮が広い範囲にわたって炎症を起こすため、水をたくさん飲むようになり、尿の量も増えます。
メスの老犬によく見られる症状です。
若いうちに不妊手術を受けておけば、この病気にはなりません。
脱水症状
下痢やおう吐ををくり返したときには、体内から水分が大量に失われて脱水症状を起こしやすくなるため、やはり水を欲しがります。
この場合は、下痢やおう吐の原因を突き止めて治療をしなくてはなりません。