口まわりの病気

口内炎

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口内炎は口腔内の粘膜に起こる炎症の総称です。

ロの中のけががきっかけとなるものや、全身の病気からおこるものなどがあります。
炎症の外見も、赤い発疹状のもの、薄い膜をともなう潰瘍性のものなどいろいろです。
人間と違っていて小さい発疹ができるというより、かなり広い範囲に及ぶのが犬の口内炎の大きな特徴です。
人間もなってしまう口内炎ですが、私たちの場合は放っておけば治りますが、犬や猫の場合は治りにくく慢性化する傾向にあります。
症状が悪化すると痛みが強くなって、ごはんを食べるのを嫌がり弱ってしまいます。

驚いたことに口内炎は犬や猫だと命にかかわる病気なのです。

 

 

系統性口内炎

外傷でできた傷から口内炎になったり、全身性の病気の一つの症状として口内炎になります。
患部は赤い腫れやただれなどが見られます。

症状

  • 食欲不振
  • おなかがすいているようなのに食事をとろうとしない。
  • 口を前足でかくようなしぐさをする
  • 大量のよだれがでたりする
  • 口臭がひどくなり、微熱がでることもある。

 

原因

これらの病気は全身性の症状が出る病気ですが、その症状として口内炎が発生することがあります。

 

外傷

 

硬いものをかんだときに口の中を傷つけると、そこに口内炎をおこします。

  • 骨や木、固いガム、おやつ

    bone-157272_640これらを噛んだときに口の中を傷つけて、そこから口内炎になります。

 

  • 電気コードinaba73_dengencable_tp_v

    電気が通っているので、かじってしまうことで感電することがあります。
    これにより、口の中に傷ができてしまってそこから口内炎になることがあります。

 

 

感染症

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感染症によって口内炎が起こることもあります。

  • ジステンパーウイルスなどのウイルス感染
  • レプトスピラなどの細菌感染
  • カンジダなどの真菌感染

これらは予防接種によって感染を防ぐことが可能です。

 

アレルギー性疾患

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アレルギー性皮膚炎の一種である天疱瘡(てんぽうそう)が原因の場合があります。

天疱瘡は、本来は自分の体を守るためにある、抗体と呼ばれる異物を識別して攻撃する物質が、自分の皮膚の細胞同士をつなぐ物質を異物と思ってしまい、攻撃してしまうことによって起こる皮膚症状です。

このように免疫システムが暴走してしまい、水ぶくれや膿疱などができる病気です。
皮膚の上に赤いブツブツがみられます。

これらの皮膚の病気は、口の中でも発症していて、口内炎を発生させることがあります。

 

ビタミン欠乏症

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ビタミンBが不足すると口内炎になりやすくなります。
特にビタミンB2が不足すると発症しやすくなります。

 

尿毒症

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尿毒症とは、腎臓の機能が著しく低下し、本来は排出されるべき老廃物が、血液中にたまった状態のことです。
腎不全の末期状態で、全身に症状が出始めたときの症状です。

この病気は、体の細部の血管が損傷するため、口の中や胃腸などの粘膜に影響がでるので、口内炎が生じると考えられています。

 

高アンモニア血症

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食事などで摂取したタンパク質は、代謝する過程でアンモニアが発生しますが、肝臓で無毒な尿素へと変えておしっこと共に外に出しています。
しかし、肝臓が病気になったり、尿路感染症になったりとアンモニアを外にきちんと出せずに体にたまってしまった状態がこの病気です。
全身に悪影響をおよぼし、その中の症状のひとつに口内炎があります。

 

自己免疫性疾患

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  • 糖尿病
  • 腎不全
  • クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
  • 全身性紅斑性狼瘡

 これらの病気は全身性の症状が出る病気ですが、その症状として口内炎が発生することがあります。

 

抗生物質の長期投与

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長期にわたって抗生物質の投与を受けた犬に潰瘍性の口内炎ができることがあり、これも系統性口内炎に含まれます。

 

 

潰瘍性口内炎

口の中の粘膜がただれたようになる潰瘍性の炎症で、まず歯肉に発症するのが特徴です。

また、症状が進行すると、潰瘍により歯肉がどんどんおかされてしまいます。
発見したらできるだけ早く治療を始めましょう。

 

 

症状

お口がくさい

口臭がきつくなってきます。
口内炎の原因となる病気はほとんどが細菌感染を伴います。
そのため、細菌によって悪臭が発生します。

 

よだれ大量

口内炎になるとよだれがたくさん出るようになります。
よだれは粘度が高くドロッとしたものになり大量にでます。
そのため口の周りについてしまうことが多く、これも口臭を悪化させる原因となります。

血が混じったよだれが出るときもあります。

 

食欲が減る

強い痛みがともなうため食欲が減退します。
その結果、体重が減る場合があります。

 

急激に発症

潰瘍性口内炎の場合多くは、急激に発症します。
まず歯肉に急性の炎症が見られ、そこにうすい膜をともなう潰瘍ができます。
潰瘍は口内のほかの粘膜へも広がります。

進行すると潰瘍が歯肉をおかして、その下の歯槽骨をむき出しにしてしまいます。

 

原因

高齢犬や病気、疲労や栄養不足などで口の粘膜の抵抗力が弱まったときに、細菌に感染して炎症が起こると、そこでスピロヘータや紡錘菌などの細菌がいっきに増えて、潰瘍を作ります。

 

 

壊死性口内炎

歯肉の先の、歯の表面から少し浮いた部分にできる炎症で、それが潰瘍に進行します。
一度治癒しても再発する特徴があり、正しくは再発性壊死性口内炎といいます。
体力の弱った犬がかかりやすい病気です。

老犬や、病気になって体力が弱っている犬が起こしやすい口内炎です。
歯周病を起点とするケースが多く見られ、歯肉に潰瘍をつくります。

一度完治しても再発しやすい特徴があるので、かかった経験のある愛犬がいるなら、特に注意して観察することが大事でしょう。

症状

いつもより唾液やよだれが少し増えるだけといった程度から

  • 食欲がほとんどなくなる
  • 激しい痛み
  • 強い口臭
  • 元気がなくなる

などの症状が出るものまでさまざまです。

 

 

原因

もっとも多い原因は、犬が歯周病にかかっていて、それが歯肉炎を拡大させ引き起こすというものです。

歯周病

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犬の口内炎の原因として最も多いのは歯周病です。
歯周病は歯と歯ぐきの間にたまった歯垢が原因となっています。
歯垢とはいわば菌のかたまりの様なものでどんどん増殖して毒素をだします。
これによって炎症を起こします。
最終的には歯を支えている骨まで溶かしてしまうという病気です。

歯周病はさまざまな全身の病気に関連していて、そのうちの一つに口内炎があります。
歯肉から口内炎が広がるという特徴があります。

 

歯周病くわしくはコチラ

 

治療

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治療中は、食餌はやわらかいものにし、たんばく質やビタミンが不足しないようにしましょう。

系統性口内炎

全身性の病気が原因の場合はその治療を行います。
ビタミン欠乏症などの場合はビタミン剤を投与します。

 

潰瘍性口内炎

口の中を清潔にして、細菌を抑えるために抗生物質の投与を行います。

 

壊死性口内炎

むし歯や歯周病が原因の場合はその治療を行いましょう。
口内炎にたいしては痛み止めや抗生物質の投与を行います。
また、再発するため、治療後も2週間に1度くらいの割合で検査を受けると良いでしょう。

 

 

口内炎の予防

歯をキレイにしよう

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むし歯の治療などを行って、口腔内の環境を良好に保つことが予防になります。
歯石も原因となるので除去することがおススメです。
ただし、免疫関係の病気が原因の場合は、むし歯治療などで予防効果は期待できません。

 

 

栄養をとろう

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体が弱っていると口内炎になりやすいので、高たんぱくの食事を与えるなどして、栄養を十分に取らせることも予防になります。

 

 

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