口まわりの病気

歯根膿瘍 (根尖周囲膿瘍)

 

この病気は歯の根元に炎症が起こり膿がたまる病気です。

歯の根元周辺に炎症が発生してしまうため、口の中で症状が進んでいることを飼い主はなかなか気が付きにくい病気です。

しかし、注意深く見ていれば変化に気が付くはずです。

かたいものを噛もうとしなくなったり、顔が膨れたり、歯に穴が開いているなどです。

犬歯によくみられる傾向があります。

 

 

根尖周囲膿瘍の症状

  • 硬い食べ物を嫌がる
  • 顔を傾けて片方の顎で噛む
  • 食欲の低下
  • 目の下が腫れる

 

こんな症状がでていないでしょうか?

歯のつけねである歯根部に炎症が生じ、膿がたまってしまう病気なので、痛みが強く、固いものが食べられなくなったりイライラしたりします。

また、膿のせいで口臭が強くなり、 よだれの量が増えます。

 

歯根膿瘍は犬歯にもっとも起こりやすく、ついで第4前臼歯によく見られます。

 

 

初期

初期の段階では、見た目ではわからないでしょう。
食欲が落ちる場合もありますが、そこまで食欲不振になることもなく日常生活は難なく過ごせます。
口を開けた時に歯が傷ついていたり、歯石が歯についていたりすることがあります。

 

中期

症状が進行してくると、ほっぺが少し腫れてくるようになり、食欲不振になる子もいます。
ほほに膿がたまることで口の中から腐ったような臭いがするようになり、元気がなくなる子もいます。

 

重度

状態が悪化してくると隣接する歯茎にまで炎症や膿が広がり、歯槽膿漏や骨髄炎にまで広がります。
また、歯槽骨に穴が開き、骨を覆っている皮膚にまで膿がたまり皮下膿瘍に発展することもあります。

場合によっては外側のほっぺに膿を排出するための穴が開き、膿が出てくることもあります。
顔に穴が開いちゃうわけです。
信じられません。

 

 

根尖周囲膿瘍の原因

歯の表面は硬いエナメル層によってコーティングされていますが、大きな負荷がかかったことでヒビが入ったり、折れたりしてしまいます。

  • 口をぶつけたりなどの打撲による外傷によって歯が折れる。または抜ける。
  • 硬いものをかんだりして歯がかける

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歯を鉛筆に例えるなら芯のようなものが歯にもあります。
その鉛筆の芯の部分を歯髄といい、折れたり歯の亀裂から細菌が歯髄をとおって歯根まで到達して、一番奥にある歯根部まで行き炎症を起こします。

菌の侵入により歯の根元に膿がたまってしまいます。

 

重症化すると

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症状がひどくなると歯を支えているあごの骨である歯槽骨が菌によりとけて、たまった膿が歯肉を突き破って口の中や目の下、鼻、頬などに穴をあけてしまい、そこから膿や血がでてきます。

 

口腔と鼻腔と分けている骨の厚さは、わずか1~2mmと非常に薄いため、上の犬歯が根尖膿瘍になってしまうと、口腔と鼻腔が貫通してしまい、その影響からくしゃみや鼻汁、鼻血などの症状がおこります。

 

 

歯周病も原因の一つ

歯が折れたり、ヒビが入ること以外にも、歯磨きが歯石取りなどをしなかったために起こる重度の歯周病などでも起こります。

 

 

 

 

根尖周囲膿瘍の治療

抗生物質や抗炎症薬で炎症を鎮めるほか、 歯髄や、歯そのものを抜くこともあります。

外科的手術

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膿瘍の範囲や患部の状態にもよりますが、歯根部にたまっている膿をとって、抜歯を行います。
歯にヒビがはいっていたり、穴が開いている、むし歯になっている場合などは抜かないかぎり再発する危険性があるためです。

一般的には歯の抜歯をして、さらに感染が進んでいる場合には歯髄を除去した後、薬剤の充填を行い、感染部位の洗浄を行います。

炎症の状態などを見て抗生物質や消炎剤の内服などを投与します。

歯ぐきなどが傷ついて発症しているときには抜かない場合もあります。

 

 

投薬治療

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菌の感染を防ぐため、抗生剤の投薬が行われます。
炎症を抑えるために行うため、対処療法なので根本的な治療にはなりません。
併用して膿の除去などを行います。

 

 

歯石の除去

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歯石が大量にたまっていて、それが原因で炎症が起こっているときは、超音波で歯石を粉砕して除去します。
動物病院での歯石の除去は全身麻酔を使って行われます。
費用はだいたい3万~5万円くらいと言われていますが、病院によって大きく金額に違いがあります。

 

予防

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虫歯や歯にヒビなどが入っておらず、膿が除去できた場合は、抜歯を行わず毎日の歯磨きで治療を行うことができます。

口の中を清潔に保ち、菌の繁殖を抑えることで再発を防止できます。

 

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