犬特有の病気で犬の唇から顎にかけて炎症が起こります。
口元に炎症が起こることで唇に痛みやかゆみがあるため、口をかいたり、不快そうな表情になります。
痛みやかゆみでひっかくことによって、炎症やロのまわりの毛が抜けるなど症状が悪化してしまいます。
また、くさいにおいがすることもあります。
症状
症状は3段階
- ステップ1 毛の生えている部分がほんのり赤くなる程度
- ステップ2 毛根がニキビのように赤く腫れあがった湿疹ができる
- ステップ3 他の毛穴の発疹と合わさって、大きく赤くはれあがっていてる
原因 けがやアレルギーで炎症がおこる
唇にけがをして、そこに細菌が感染したり、草木や食器(化学物質)などによるアレルギー反応が主な原因です。
ケガ
犬同士でケンカをしたり、ケガや事故にあったりなど口元に傷がつき、患部から細菌が侵入することによって口唇炎を発症します。
さらに、かゆみからひっかくことで脱毛したり、化膿してしまいます。
化膿すると膿混じりの出血などみられ、くさいニオイが発生します。
アレルギー反応
- 草木の接触
- 植物の種学薬品
- 除草剤
- 殺虫剤
- 昆虫
- かび
- ゴム
- プラスチック
これらの物質によってアレルギー反応が起こって口唇炎になる場合があります。
先天性の場合
犬種によって先天性のホルモンの分泌異常が起こりやすく、口唇炎の原因となっています。
短頭種の犬種
- シーズー
- パグ
- ブルドッグ
- ボストンテリア
あご先を中心に口唇炎が起きやすい犬種
- ドーベルマン
- ジャーマンシェパード
- ボクサー
- グレートデン
- マスティフ
- ジャーマンショートヘアードポインター
ホルモンのバランスが乱れやすいためと言われています。
唇が下がっている犬種
- セントバーナード系
寄生虫の感染
寄生虫に寄生されることによって体がかゆくなり、口まわりをひっかいて、その傷口から細菌に感染してしまうことで発症します。
原因として毛包虫が多くあげられています。
治療 炎症の原因を除く
炎症自体は、患部を石鹸などを使って口回りを洗浄します。
そのあと、抗炎症薬を使うことで治まります。
効果が出なければ、抗生物質を投与して、殺菌する治療法をとります。
唇を傷つけるような原因を取り除くことも必要です。
治療には、ビタミンCを多く配合している犬用のサプリメントと、塗り薬を使用することによって治療していきました。
犬に使える石鹸
犬に人間用の石鹸はきつすぎるらしく使うことはできない。
犬用の固形石鹸というものが意外とたくさん見つかるものです。
清潔さが重要となります。
抗炎症の塗り薬
殺菌しつつ、炎症を抑え、かゆみや痛みも止めることができます。
症状がひどい場合の治療
抗生物質のお薬を飲ませましょう。
菌の活動を抑えることで炎症を鎮めます。
ペニシリン系:アモキシシリン
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参考アモキシシリン(ペニシリン系)
アモキシシリンは細菌の外側の壁(細胞壁)の合成を阻害して細菌を殺すことで、細菌の増殖を抑えます。 犬・猫における細菌性皮膚感染症の治療に使用します。 グラム陽性菌、陰性菌の一部に効く抗菌力をもち、中程 ...
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セフェム系:セファレキシン
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参考セファレキシン(第1世代セフェム系)
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予防
肝心なのは予防です。
清潔が重要
口唇炎にかかりやすい犬は、日ごろからこまめに口のまわりをふいて、清潔にするよう心がけてください。
食後に食べカスが残っていたり、遊んだ時の土や泥がついていたら、水で洗ったり、ぬらしたタオルで拭くなどしてあげましょう。
しっかりとすすぎする
シャンプーがシワの間に残っていることがあり、これが原因になる場合もあります。
十分にすすぎを行いましょう。
アレルゲンを排除
アレルギー性の炎症ならアレルゲンを特定し、取り除きます。
プラスチックの食器やビニール素材のおもちゃ、首輪、じゅうたん、消臭剤など原因はさまざまです。
何気ない日常のモノが原因かもしれません。
根気強く特定していきましょう。