フィラリアとは、線形動物門双腺綱旋尾線虫亜綱旋尾線虫目糸状虫上科に属する動物の総称です。
寄生虫の一種で細長く、乳白色のソーメンのような形をしています。
成虫になると、オスで体長約17cm、メスで約28cmもの大きさになる寄生虫で意外と大きい!
フィラリアのライフサイクル
フィラリアのライフサイクルを知ってみることで
どういった生物か知ることができます。
1.蚊の体内に入る
まずフィラリアにすでに感染している犬の血液を吸うところから始まります。
吸血の際に血液中の子虫(ミクロフィラリア)を一緒に取り込みます。
これにより「レベル1 ミクロフィラリア」が蚊の体内に入ります。
2.蚊の体内で成長する
ミクロフィラリアは吸血昆虫の体内で胸筋に移動し、脱皮を行います。
その為には一定の気温が必要です。
気温が16~34℃の条件がそろうと約2~3週間かけて、蚊の体内で1回脱皮してレベル2にバージョンアップします。
さらに、もう一回脱皮して
「レベル3 感染幼虫」になります。
寒い冬の間、フィラリア予防しなくてもよい期間があるのは成長できないためです。
3.突入準備
レベル3 感染幼虫は、蚊が血液を吸うときに使う“ストロー”状の場所(器官)に移動します。
血を吸うために針を犬の体に刺すことによって、蚊の針から犬の体内へ移行することができます。
その刺口から犬の体内にレベル3 感染幼虫が入り込みます。
4.犬の体内に侵入
この時点では、犬の体内に侵入しただけで、感染したことにはなりません。
当然ながら、犬にまったく変化はありません。
犬の体内に入った「レベル3 感染幼虫」は、皮下組織などに侵入します。
ココで成長して脱皮し
「レベル4 体内移行幼虫」になります。
フィラリアの予防はこの地点
予防というので、体に入る前に入れない様にするというイメージをしてしまいます。
実際は、体内に入ってきたフィラリアの幼虫レベル3とレベル4を駆虫しています。
フィラリア予防薬とは皮下~筋肉にいるフィラリアの幼虫を殺すお薬です。
5.血管を目指せ
感染から約2ヶ月かけて皮下組織や筋肉を移動しながら最終形である「レベル5 未成熟虫」になります。
ここまで成長すると血管内侵入できるようになります。
6.旅立ち
血管内に侵入したレベル5 未成熟虫は静脈から血管に入って血液の流れに乗って肺動脈まで移動します。
心臓に向かい、最終の寄生場所である右心室に移行します。
7.成長期
血流に乗って心臓に移動したレベル5 未成熟虫
肺動脈に住み着くようになり、右心室、肺動脈内で約3ヵ月間発育して成熟虫になります。
細いそうめんのような姿をしています。
8.出会い、そして放出
(感染から6~7カ月経過中)
体内でオスとメスのフィラリアがそろったとき交配し
レベル1 ミクロフィラリアが生まれはじめます。
レベル1 ミクロフィラリアは血液中に放出され、犬の全身を流れながら蚊に吸われる機会を待ちます。
成熟虫はそのまま約5~6年間は生存し続けます。
蚊が吸血する
感染して全身にレベル1 ミクロフィラリアを持った犬に蚊が止まる
血と共に蚊が吸い上げることで、汚染された蚊になり、次の犬にフィラリアが広がってしまうことになります。
1に戻る。
このように、蚊と犬の体内を巡回しながら子孫を増やしているのが、フィラリアという虫なのです。