呼吸器

気胸

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気胸とは、肺に穴が開いて空気があばらと肺の間にある空間、胸腔内に漏れ出している状態です。
肺の外側に空気がどんどん増えるため、この空気が邪魔して肺が膨らむことができない状態です。

そのため、うまく呼吸ができず、呼吸困難を起こしたりします。
場合によっては早急に獣医師に見てもらう必要があります。

気胸を発症した犬は、呼吸が荒くて早いので飼い主さんでも、いつもと様子が違うと感じることができます。
また、胸部が痛むために一向に動こうとしません。

このとき気づかずに無理やり散歩に連れていったりすると、症状がひどくってしまいます。

 

症状

  • 呼吸が浅く早くなる
  • 口を開けて呼吸する

この状態の犬は胸を広げて、空気を肺に取り入れようと努力するため、いつもより胸部が大きくなったように見えることがあります。

また、よだれや吐血が見られることがあります。

 

心配なので触ろうとしたり、動かそうとすると引っ張っても前足を突っ張って抵抗したり、痛がる素振りや嫌がったりします。

楽な体勢を取ろうと首を伸ばして呼吸をしたり、横になるのを嫌がったりします。

呼吸が苦しいため運動することは難しく、運動させたり興奮させると呼吸困難がひどくなることがあります。
動くことが困難になり元気がなくなります。

 

 

原因

肺は肋骨で囲まれた胸腔という中に入っています。

外界からは完全に隔離されていて、気管だけが外につながっていて空気の出入口となっています。

しかし、何らかの原因で胸腔などに穴が開くと、空気が胸腔内に入ってきて、肺が正常な呼吸によって博がるのを妨げるようになります。

さまざまな原因がありますが、大きく3つに分けることができます。

 

1.外傷性気胸

犬の気胸では最も多いのが外傷性のものです。

原因としては

  • 交通事故によって異物やあばら骨が肺に刺さる
  • 刃物や尖ったものが刺さってしまう
  • 犬同士のケンカによって咬み傷が貫通した場合

このような場合が考えられます。

こういった状態は、開放性気胸と呼び、外側から胸に穴が開いているため、胸腔と外の空気とが自由に出入りできています。

息を吸おうとあばらが広がるたびに、外気が胸腔内に入ってくるため、肺はその空気で押しつぶされてしまいます。

そのため、非常に苦しく早急な処置が必要な状態です。

 

緊張性気胸

気胸は胸腔内に空気が漏れている状態ですが、どんどん漏れることで肺や心血管にを圧迫するため呼吸困難だけではなく、血圧の低下からショック状態になることがあります。

これは緊張性気胸と呼ばれる状態で、緊急性が高いためするすぐに処置しなければいけません。
処置が遅れると命の危険があります。

 

2.自然気胸

外からの外傷ではなく、体内の異変によって肺に穴が開いた場合を「自然発生性気胸」

自然気胸と呼ばれています。

これらが起こるのは

 

病気によるもの

肺気腫や肺炎、肺がんなどの病気で、肺の組織が壊れて穴が開いてしまう場合があります。

気管や肺などに腫瘍や膿瘍などができていた場合に、それが破裂すると穴が開いて、胸腔内に空気が入るため気胸になる場合があります。

大型犬に多い傾向があるようです。

 

 

激しい咳

気管支炎のような病気を持っている犬の場合、激しい咳によって期間に穴が開いて気胸になってしまう場合もあります。

 

 

寄生虫感染

寄生虫の中で肺に移動するタイプのモノ、肺虫、肺吸虫などです。
腸管内で孵化して、幼虫が腸壁を突き破り、肺を目指します。

最終的に胸膜を穿通して、肺に侵入して成虫になるという虫です。
胸膜に穴を開けられるので気胸になってしまう。

サワガニを加熱しないで食べると、寄生虫が体内に入る可能性があります。
川遊びの際には気をつけて見ていましょう。

 

 

3.医原性気胸

検査や手術などの際に、針で肺に穴を開けてしまい、胸腔内に空気が漏れてしまった場合です。

医療行為でのアクシデントです。

 

 

治療

治療のために獣医師の元へ連れていく必要がありますが、このときなるべく犬の体に負担がかからない楽な体勢を保つようにしましょう。

無理やり引っ張って連れていこうとすると、肺や気管がさらにダメージを受ける可能性があります。

 

検査

まずは、どのような状態かを確認するため、呼吸が速く浅くなる症状をみたり、聴診、打診などで診断します。
このとき、胸部をかばうような仕草が見られると、気胸の可能性は高いでしょう。

X線検査をおこなうと、 よりはっきりと症状の判別や進行具合がわかるようになります。
場合によっては、それでも気胸かどうか判断できないこともあります。

 

症状がごく軽い場合

穴が開いてしまった部分は、自然治癒で治るようになっていますが、そのための処置が必要となります。

そのため、安静にさせて内科療法を行うだけで治る場合もあります。

 

症状が重い場合

重度になると、胸腔内の空気によって肺はかなりしぼんでいる状態です。
そのため、呼吸困難が激しくなっています。

そのままではどんどん呼吸困難が進行して、命にかかわる場合があるため、脱気と呼ばれる処置を行います。
針などを使って胸腔内に溜まった空気を排出することで、肺が膨らむスペースができます。

犬が自力で呼吸できるようになるまで、酸素吸入を行いながら安定するのを待ちます。

 

 

 

外科手術

 

交通事故によって肋骨が折れて肺に刺さったり、刃物や異物が肺に刺さったりして、肺に直接穴が開いているような場合には、その穴をふさぐため外科手術が必要となります。

また、穴をふさいだ後は、胸腔から空気を抜くために、ドレーンというゴム管のようなものを肺に刺して残し、その都度胸腔から空気を抜けるようにします。

 

基礎疾患がある場合

他の病気の影響によって気胸になっている場合には、原因となっている病気の方を先に治療する必要があります。

そのため、血液検査やその他の検査も必要な場合があります。

原因となっている基礎疾患の対処を行ってから、気胸に対処することになります。

 

 

予防

気胸は状況によっては短期間で緊急事態に陥る危険性がある病気です。
そのため、呼吸がいつもよりも荒くて早かったりと異常が見られたら、すぐ病院に行くようしましょう。

時間と共に状況は悪くなっていくので早期発見が大切です。

 

全犬種において原因として多いのは交通事故です。

散歩の際にはきちんとコントロールできるようしましょう。
車にも注意が必要ですが、他人の犬と喧嘩をして咬まれて気胸になる場合もあります。

家の中でもはしゃぎすぎれば外傷が起こることはたくさんあります。

どちらも、小さなころからしつけをしっかりとしておくことも予防として重要です。

 

病気にならないように!

肺気腫や肺がん、肺炎などの病気にならないことで気胸を予防することにつながります。

呼吸器の病気にはタバコが原因の場合も多くあります。
飼い主さんがタバコをやめることも予防のひとつと言えるでしょう。

 

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