呼吸器

肺炎

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レントゲン

肺炎はウイルスや細菌などによる感染症がひどくなって、肺や気管支に炎症が起こる状態です。

肺は呼吸することで入ってきた空気から酸素を取り込み、二酸化炭素を交換する役割をする器官です。
この部分に炎症が起こると、必要な換気をすることができなくなります。

そのため非常に苦しく、呼吸困難を起こします。
重症化すると死亡する可能性もあります。

 

人間でも肺炎は高齢者の死亡原因として絶えず上位にあり、免疫力や抵抗力が弱いほど重症化へとつながります。

 

症状

肺と気管支に炎症が起こる病気ですが、さまざま原因によって肺炎が起こるので、炎症が起こる場所などによって症状が異なります。

一般に、気管支炎や咽頭炎のときより症状は重くなります。

他の呼吸器の病気と同じように咳がよく見られます。

呼吸の苦しさから首を伸ばして、前足をつっぱったような姿勢をとり、少しでも呼吸が楽になろうとする動作をします。

病状が重くなると、体を横にして休むことができなくなります。
そのため、座ったまま苦しそうにしています。

 

よく見られる症状

咳がひどくなる
せきが出ることが多くなり、咳がひどい時には吐き気をもよおすこともあります。

 

呼吸が早くなる
息苦しさから、呼吸は浅く早くなるため、苦しそうにゼーゼーという呼吸音が聞こえることがあります。

 

運動を嫌がり、食欲が落ちる
発熱するため食欲が落ちます。また、熱と息苦しさから運動するのを嫌がります。

 

呼吸困難
無理に運動をさせたり、興奮させたりすると呼吸困難を起こします。
酸素の欠乏からくちびるや舌が紫色になります。(チアノーゼ)
場合によっては倒れてしまったりします。

 

原因

肺炎を誘発する原因としてさまざま要因が考えられます。

  • ウイルス
  • 細菌
  • 真菌
  • 寄生虫
  • 刺激性ガス、薬品
  • 誤嚥
  • 薬剤

直接肺にダメージを受けてら肺や気管支に炎症が起こったとき。

寒くて乾燥した季節や湿度の高い梅雨時など環境因子がストレスとなり、免疫力が低下したときなどには細菌やウイルスなど感染症により肺に炎症が起こって肺炎を併発するなどが考えられます。

そのため免疫力、抵抗力の低い子犬や高齢犬は肺炎になる危険性が高いです。

 

ウイルス

ウイルスに感染することによって肺炎が起こることがあり、そのような場合にはウイルス性肺炎と呼ばれたりします。

特にジステンパーケンネルコフなどに見られる場合が多く、咽喉頭炎や気管支炎などが悪化し、肺炎を起こして呼吸困難や発熱などに苦しむ場合も多い。

 

ジステンパー

とても感染力が強いウイルスのため、感染した犬に接触したり、使った食器やくしゃみなどからうつってしまいます。

呼吸器と消化器に異常が起こり、進行すると脳まで達し、てんかんや痙攣などの神経症状があらわれます。
死亡率が高い恐ろしい病気です。

感染してからの有効な治療法はありませんが、ワクチン接種によって予防することが可能です。

 

ケンネルコフ

  • パラインフルエンザウイルス
  • アデノウイルス
  • マイコプラズマ

このようなウイルスに感染したときに、症状として咳が現われるのがケンネルコフです。
軽度の場合には数日で治りますが、悪化すると肺炎を起こします。

ワクチンによる予防が有効です。

 

 

 

細菌

  • 気管支敗血症菌
  • 肺炎レンサ球菌
  • 黄色ブドウ球菌

このような細菌によって、肺炎が引き起こされることあります。

狩猟犬や牧羊犬、競技犬など屋外で活動する犬に多く見られる傾向にあります。

 

免疫力が大切

免疫力が低下していると細菌に対する力が弱まり感染し、肺炎へとつながる可能性があります。

そのため、1歳以下の子犬や老犬、糖尿病やクッシング症候群など基礎疾患を持った犬などはそのリスクが高くなります。

 

真菌

真菌とはカビなどのようなものに分類されるものです。

真菌はありふれたものなのでどこにでもあり、ほどんどどこにでもあり、絶えず吸い込んでしまっていると考えらます。

土壌や鳥のフンなど接触しやすいのも特徴です。

 

下記のような真菌が肺炎の原因と考えられます。

  • ブラストミセス
  • ヒストプラスマ
  • コクシジオイデス
  • クリプトコッカス
  • アスペルギルス

 

 

寄生虫

 

寄生虫の多くは生肉や昆虫、小動物などに潜んでいたりするため、食べることによって卵や幼虫を体内に入れてしまい感染します。

寄生虫の成長過程はさまざまで、肺で成虫になるものや、幼虫の時期に肺を通過するもの、成長したものが肺動脈に詰まってしまうなどの影響により肺炎を引き起こす可能性があります。

 

肺炎を引き起こす可能性がある寄生虫

 

 

刺激性ガス、薬品

薬瓶

有毒ガスや刺激性のある化学薬品、粉末などを吸い込んだ際に肺炎を起こす可能性があります。

シンナーやベンジン、ガソリンなど有機溶剤、お風呂場などで使うカビ取り剤など揮発性の高い薬品などは意外と多いものです。

また、たばこの煙などでも影響を受けます。

 

犬が吸い込んだりしないように風向きや場所を考えてあげましょう。
直接、肺にダメージを与えるため肺炎へとつながります。

 

 

誤嚥

 

誤嚥とは食べ物が食道ではなく、誤って気管の方へ入ってしまうことです。
誤嚥の影響によって肺に炎症が起こります。

誤嚥した食べ物や胃から逆流した内容物などにより、肺が胃酸で荒れたり、口の中の細菌が食べ物と一緒に肺で増殖することで炎症を起こします。

そのため、誤嚥性肺炎、吸引性肺炎などと呼ばれています。

肺炎と診断される犬の中でも誤嚥性肺炎はかなり多いと思われます。

 

犬も歳を取ると飲み込むための筋力が低下します。
そのため誤嚥してむせたり、その影響から肺炎になってしまいます。

また、口の中の細菌が多いほど、誤嚥したときの影響も大きいため歯みがきの習慣は大切と言えます。

 

 

薬剤

薬剤によって肺炎が誘発されますが、犬ではあまり見られません。
しかし、理論的には十分に起こりえるので注意しましょう。

抗がん剤をはじめ、なんらかの薬剤が原因となる場合があります。

 

放射線治療の副作用として起こる放射線肺炎、原因不明の特発性間質性肺炎などがあります。

タバコは良くない
たばこの副流煙や有害ガスの吸引なども、気管支や肺の炎症を起こす原因になります。

原虫性肺炎や寄生虫によっておこる肺炎もあります。

薬による影響
薬剤誘発性の肺炎は犬でほとんど報告されていませんが、人で確認されているので犬でも十分に起こり得ると考えられます。

 

 

治療方法

検査
肺炎の症状はさまざまな呼吸器の病気でも似たような症状が見られます。

そのため、きちんと病気を見分ける必要があります。

診断には、X線検査や胸部の聴診などがおこなわれます。
場合によっては全身の検査が必要な場合があります。

 

原因に応じた治療
次に肺炎の原因に応じた治療が必要です。

ネブライザーと呼ばれる薬剤を霧状にする吸入器を使用したり、症状が重い場合には酸素吸入を行います。

細菌が原因の場合には抗菌薬などが投与されます

 

 

状態をキープ
基本的には発熱などによって体力が消耗させられる病気なので、全身の状態を良好に保つための治療が行われます。

保湿や保温をして、点滴や栄養補給などを行います。

肺炎を起こした犬は運動させないようにし、興奮させないように配慮しましょう。
基本的に安静にして、清潔な環境で注意深く接しておきましょう。

 

肺炎の予防法

さまざまな原因から悪化して肺炎へと行きつきます。
そのため、予防できるものもいくつかあります。

 

予防接種

肺炎を併発するようなウイルスには、ワクチン接種による予防が効果的です。
子犬の頃に感染しやすいので、母犬からの抗体が失われる生後6~12週あたりで予防接種を受けましょう。

そうすることで抗体を体に作ることができます。

 

寄生虫の予防

寄生虫による感染を防ぐことで、間接的に肺炎を予防することにつながります。
フィラリア予防薬やオールインワンタイプの駆除薬を使って寄生虫から身を守りましょう。

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食事の工夫

歳を取るとかむ力と飲み込む力が低下して誤嚥しやすくなります。

 

台にのせる

フードの入った容器を台の上に置くようにしてあげましょう。
下向きの状態から飲み込むより、少しでも高いほうが飲み込みやすくなります。

 

水をたっぷり用意する

飲み込む力が低下してしまっていると、飲み込むために水の力が補助となります。
たっぷりと用意してあげましょう。

 

柔らかいものや流動食ばかり与えない

歳を取ってかむ力が低下するので、柔らかいフードや流動食のようなもを利用するかもしれませんが、あごの力を使わなくなるほど、あごは衰えていきます。

まだ元気なうちから、あごの力が衰えないように噛み応えのある食べ物を食べさせましょう。

 

歯みがきをする

誤嚥性肺炎の病原菌は口内細菌です。

唾液を含んだ食べ物が誤って気管に入ることにより、口内細菌が増えて炎症を起こします。

そのため、歯の健康を保つことで、口の中の細菌を減らすことができます。
その結果、誤嚥した場合でも肺炎になるリスクが低下すると考えられます。

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