結膜炎

結膜炎とは、結膜が赤く充血して炎症を起こす病気です

結膜炎は、白目(しろめ)とまぶたの裏側を覆っている半透明な膜(結膜)が、赤く充血して炎症を起す病気です。感染で起こる細菌性結膜炎、ウィルス性結膜炎、アレルギーで起こるアレルギー性結膜炎などさまざまな種類があります。

また、角膜炎・ドライアイ・緑内障や副鼻腔炎などをもっていると結膜炎になり易い傾向にあります。

 

 

結膜ってなに?どこ?

ketsumaku_zu3出典 http://adachi-eye-clinic.com/

結膜とは上下のまぶたの裏側と、白目の表面を覆っている半透明の膜で、両方は袋状につながっており皮膚に似た構造をしています。
結膜には、細かい血管が豊富に存在し、またリンパ組織という免疫反応(体が異物に対して反応すること)を起こす組織があります。
また、目の表面は涙液によって常に潤わされており、粘膜としての性格もあります。結膜は直接外界と接しているので、いろいろな病原物質にさらされやすい環境にあり、感染性の結膜炎が起きやすい場所です。

 

 

結膜炎によく見られる症状

結膜炎になると、結膜が赤く充血して腫れ、目やにや流涙(涙を流すこと)などの症状が見られるようになります。また、目にかゆみや痛みが生じるようになるため、顔を床にこすりつけたり、目を前足でこすったりといった行動が見られます。

 

よく見られる症状

・白目が充血する

・涙が多くなり目の周りが濡れている

・まぶたをかゆそうにする

・床や壁に目をこすりつける

・眼球が腫れていておおきくなっている

・まばたきが多くなる

・目ヤニがでる

 

なりやすい犬の種類

  • アレルギーの発症し易い犬種
    柴犬、ウェスティ、シーズー、マルチーズなど

 

  • 手入れを怠ると眼の周囲が不潔になりやすい長毛種
    シーズー、マルチーズ、ヨーキー、キャバリアなど

 

  • 逆まつ毛の多い犬種
    シーズー、マルチーズ、ペキニーズ、ポメラニアンなど

 

  • ドライアイになりやすい犬種
    シーズー、パグなど

 

  • 眼が飛び出してる犬種
    シーズー、パグ、ペキニーズなど

 

 

原因

結膜炎といっても種類がいろいろあり、原因が異なります。

異物が入ったりや外傷による結膜炎

さまざまなものが物理的に目に入って炎症を起こしてしまうことがあります。

  • シャンプーなどの薬品による化学的な刺激
  • ホコリが入った
  • 目をこすった
  • 草などの先端が目をついた
  • 逆まつげ
  • 長毛種で眼の周りの手入れを怠って不潔にしていた
  • ドライアイ

など

 

片目だけ結膜炎になっている場合に多いようです。
両目とも一度に目に入るというのは考えにくいですね。

逆に両目とも結膜炎の場合は感染症やウィルスである可能性が高いでしょう。

 

アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜炎の原因は花粉やほこり、ダニなどが原因でおこり、充血とかゆみをともないます。
そのため目の痒みや異物感からか目をこする仕草が良く見られるようになります。

異物の混入などとは違い、アレルギー性結膜炎の場合多くは両目に症状が現れます。

 

 

  • 通年性アレルギー性結膜炎
    この反応による病気がアレルギー性結膜炎で、そのうち、いつも身のまわりにあるダニやカビを含むハウスダスト(家のほこり)動物の毛やフケなどが原因となるアレルギー性結膜炎は季節にかかわりなく起こり、通年性アレルギー性結膜炎といわれます。

 

アレルギー性結膜炎の特徴的な症状

  • 目のかゆみ
    目そのものがかゆく感じる場合もありますが、まぶたやまぶたのふちなどの部分に特にかゆみが現れやすく、かけばかくほど症状が強くなることもあります。
    これは、アレルギー反応の特徴ですので、適切な治療によってかゆみを止めることが必要です。

 

  • 異物感
    かゆみの次に多いのはごろごろした感じ、「異物感」というものです。
    アレルギーの反応によってまぶたの裏側の結膜に粒状のもりあがりができますが、これが、まばたきの際に黒目(角膜)と接触することによって生じる症状です。
    小さなゴミが入ったように感じることもあります。そして、場合によっては黒目に傷がつくこともあります。

 


  • 涙もよくみられる症状です。
    目やには、はやり目に比べると多くはありませんが発生します。

 

  • 規則性がある
    一般的に、ある季節に毎年起きること、程度の差はあっても両方の目に生じることもアレルギー性結膜疾患の特徴です。

 

目はアレルギー反応がでやすい

目は非常にアレルギーの症状の出やすい場所です。
それにはいくつかの理由が考えられます。

 

  • アレルギーの抗原が入りやすい
    結膜は直接外の空気に接しているため、からだの外から絶えずいろいろなもの(異物)が飛び込んできます。このような異物は、普通は涙や目やにとともに目の外へ流されてしまいますが、異物に人間のからだが過敏に反応すると、結膜でアレルギー反応が起こるのです。
  • 涙液で反応しやすい
    入ってきた抗原成分の中でも、からだとの反応を生じる抗原の蛋白質が目を常に潤している涙液によって溶かされやすい性質があります。
  • 血管もリンパ組織もいっぱい
    結膜には実際のアレルギーの反応を引き起こす免疫細胞がたくさんあり、血管もたくさんあるためにからだのほうから、次から次へと炎症を起こす細胞が入り込みやすい。

 

ただし、抗原は目に直接触れる以外にも鼻や口、皮膚を通して反応する場合もあるため、全身のアレルギー反応の結果、目に症状が出ることも少なくありません。

 

 

細菌性結膜炎

細菌感染による結膜炎で、結膜が充血し、目ヤニが出たりします。
原因となる細菌はいろいろありますが、ウイルス性結膜炎と異なり有効な点眼薬(抗生物質)があるので、短期間で治ります。
ただし淋〈りん〉菌による結膜炎は、進行すると角膜に影響が及んで視力が低下することがあります。

 

特徴

細菌性結膜炎は細菌の感染によっておこり、充血と膿状の目ヤニがたくさんでるのが特徴。

結膜炎の原因となる黄色ブドウ球菌は、喉や鼻の粘膜、肌や指など、体のあらゆるところに存在している菌です。
健康な状態では本来備わっている抵抗力によって感染することはほとんどないのですが、抵抗力が弱まっているときは影響を受けやすくなり、感染のリスクが高まります。
基礎疾患があったり、高齢犬などは注意してください。

 

また、性感染症で知られるクラミジア菌や淋菌でも結膜炎を発症するケースがあります。
クラミジア・トラコマチスという病原体の感染によっておこる結膜炎です。
目に感染してトラコーマという重篤な結膜炎をおこす型と、泌尿生殖器に感染し性感染症の原因となる型があります。

 

 

 

 

ウィルス性結膜炎

感染力が強く、昔から一般に「はやり目」と呼ばれているものです。
主にアデノウイルス(8型、19型、37型、54型など)によって起こります。

通常、発症してから約1週間に病状のピークがあり、その後徐々に改善してきます。

 

症状

  • 結膜が充血し目やにや涙がたくさん出て、眼痛を伴うことがあります。
  • アレルギー性結膜炎と違って、かゆみはほとんどありません。
  • 耳の前や顎の下にあるリンパ節が腫れることもあります。
  • 結膜の表面に白い炎症性の膜(偽膜)ができることがある。
  • まぶたが腫れる

 

特徴

  • 潜伏期間
    この病気の潜伏期は8~14日です。

 

  • 感染力が強い。
    急に発症し、最初は片目だけに発症しても、数日中にもう片目に症状が出現する。
    結膜炎が出血性となり、出血性結膜炎が起こることもある

 

  • 角膜に影響がある。
    角膜に炎症が及ぶと透明度が低下し、混濁は数年に及ぶことがあります。

 

  • アデノウイルス全般について有効な薬剤はない。
    対症療法的に抗炎症剤の点眼を行い、さらに角膜に炎症がおよび混濁がみられるときは、ステロイド剤を点眼する。
    同時に細菌性結膜炎を起こすこともあります。
    細菌の混合感染の可能性に対しては、抗菌剤の点眼を行う。

 

  • 多頭飼は注意しよう。
    犬のウィルス性結膜炎は人間には感染しません。
    しかし、他の犬や猫には感染するので多頭飼いの場合は、分泌物の取扱いと処分に注意し、手洗い、消毒をきちんと行ないましょう。

 

 

治療

犬や猫の結膜炎の治療は、まず何が原因かを突き止めた上で処置を行います。
その上で、眼軟膏や点眼薬の投与を中心に行います。

 

 

異物混入が原因の場合

洗眼することで異物を除去してやることが第一です。
目を洗うものは水道水を沸騰させて冷ましたものや、ミネラルウオーター
気になる方はコンタクトの洗浄に使ったりする精製水でも大丈夫です。
どれも薬局で簡単に手に入れられますし安いです。

毛が原因の場合

目の周りの毛をカットします。
毛が原因の結膜炎も多いので、毛の多い犬種や猫種は、目の周りの毛をカットして、毛の混入を防ぎましょう。

 

 

どうしても目をこする。

犬や猫が目をこするのをどうしても止めない際は、首の周りにエリザベスカラーを付けて、症状の悪化を防ぎます。

このような感じで種類はいろいろあり、物理的にこすれないようにするものです。
治るまでのあいだだけ我慢してもらいましょう。
こんな透明タイプもあるんです。

 

細菌性の感染の場合

細菌を殺す抗菌薬が使用されます。
細菌にはいろいろな種類があるため、その細菌に適したものが選択されますが、近年は広い抗菌スペクトルムをもったニューキノロン系抗菌薬(クラビットなど)の点眼薬が第一選択薬となっています。

 

クラビット点眼薬

ニューキノロン系の抗菌薬の目薬
細菌感染症に使うことで原因菌を殺菌できます。一日3回使用します。

 

 

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ウィルス性の感染が原因の場合

対症療法となる眼軟膏や点眼薬、また同時に細菌性の感染による合併症を防ぐために抗生物質も投与をします。

 

ガチブル点眼液


クラビット点眼薬

抗菌薬の目薬
シプロフロキサシン眼軟膏 抗菌薬の眼軟膏

 

 

予防

普段から犬や猫の目の周りをよく観察し、目ヤニや涙、充血、まばたきの頻度などに注意し、何か異変が感じられた場合は、結膜に炎症があるかどうかチェックするために、まぶたの裏を見るようにしましょう。または獣医師に相談されることをお奨めします。

 

 

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